9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方

トランプ大統領の外交が行き詰まっている。相手に無茶苦茶な要求を突きつけることで状況を作り出しディールを展開するトランプ流が成り立たなくなり、振り回される側に回っているからだ。

BBCはトランプ外交はロシアとイスラエルという2つの困難に直面していると書いている。ではその困難とはなにか。

ABCニュースを見る限り、アメリカのメディアはチャーリー・カーク事件で騒然としており、トランプ大統領が発出するとされていたイスラエルのカタール攻撃の総括は見つけることができなかった。

カタールには米軍基地があり中東におけるアメリカ合衆国の最も強力な同盟国とされている。トランプ大統領に豪華な航空機をプレゼントしたことでも知られる。Al Jazeeraはアメリカ合衆国の中途半端な声明は周辺国に強い懸念を引き起こすだろうとしている。カタールは期待を裏切られたと感じているようだ。

Al JazeeraもBBCも当初はアメリカ合衆国の積極的な関与を疑っていた。作戦が成功すればアメリカ合衆国の成果を強調するつもりだったというのだ。

これを覆したのはトランプ大統領の感情的なリアクションだった。共同通信がWSJを受けて、直前にネタニヤフ首相とトランプ大統領の間で激しい口論があったと伝えている。そもそも本当に状況をコントロールできておらずネタニヤフ首相の暴走を許しただけである可能性が高い。

しかしながらユダヤ系に資金を依存するトランプ大統領は最終的にネタニヤフ首相を切ることができない。結果的にアメリカ合衆国の国際的な地位はイスラエルに振り回され低下してゆく。

またロシアもNATOとアメリカ合衆国のウクライナに対するコミットメントを試している。トランプ大統領は直後にHere We Goと発信している。翻訳にかなり困るだろうと思ったがCNNは「さあやるぞ!」と翻訳していた。とはいえ一体何をやるのか。NATOも思い切った行動に出ることはできず経済制裁強化が関の山だった。

結果的にやりたいことをやった人が有利になるとなるやったもの勝ちの国際社会が作られつつある。イアン・ブレマー氏が提唱したGゼロ世界の混乱は今や現実のものになりつつある。

おそらく世界のGゼロ化はすでに進行していた。トランプ大統領は守る側ではなく問題を作り出す側に回ることでこのGゼロ化に抗おうとしたのだろう。結果的に混乱に拍車をかけるだけに終わりつつある。

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