どうもアメリカ合衆国の外交が変だ。トランプ大統領のFOXでの発言がイギリスなどNATO同盟国を怒らせている。確かにトランプ大統領は刺激的な発言で交渉相手を怒らせる戦術を好む。しかし、グリーンランド合意がまとまりつつある中でNATOを怒らせるメリットはない。
むしろクレーマーと化したおじいちゃんとそれを正当化し続ける家族と言った感じになっている。
トランプ大統領の主張はNATOはなんの役にも立っていないと言うもの。これを証明するために「アフガニスタンではアメリカの影に隠れていた」と主張した。しかし実際にはイギリスでは457名の死者が出ている。このためキア・スターマー首相やヘンリー王子が「アメリカ合衆国は謝罪すべきだ」と示唆するなどと強く反応している。
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確かにトランプ大統領は刺激的な発言で対決姿勢を強調し「ディールを優位に運ぼう」とする傾向がある。しかしながらNATOのルッテ事務総長らはトランプ大統領を宥めるために「グリーンランドの所有権のようなもの」をアメリカ合衆国に差し出そうとしている。トランプ大統領がNATO同盟国をさらに刺激する合理的な根拠はない。
一つ考えられるのは「ボクが考えたイカした新しい国連」構想に対して冷淡な態度を取るヨーロッパへの意趣返しである。イタリアとドイツが憲法上の制約を理由に参加できないと表明している。
しかしながら、それよりも過去の思い込みがアップデートできなくなっており、言っていいことと悪いことの区別がつかなくなっている迷惑な人と考えたほうが説明がつきやすいのも事実だ。
現実に対処できなくなった高齢者が主張をぶつける「カスタマーハラスメント」のようなことは日常生活でもよく起きている。安易な決めつけは控えるべきなのだろうが、これが国家レベルで起きていると考えると辻褄が合う。
今までは外務官僚やマルコ・ルビオ国務長官などが後処理をしてきたためになんとかなっていたのだろうが、トランプ大統領の意に沿わない大使の大規模召喚なども起きている。これも興奮した扁桃体をかろうじて抑えてきた前頭前野の疲弊と崩壊と考えるとうまく説明できてしまうのだ。
更にホワイトハウスは今回の件で「アメリカ合衆国の兵士の犠牲の数のほうがずっと多いのは確かだ」と火に油を注ぐような発言をしている。一人ひとりの命が重要だと考える西側のスタンダードで「死者の数を競い合う」ことなどけっして許されるものではない。
今回の問題の根幹がどこにあるのかはよくわからないが、いずれにせよアメリカ合衆国の外交がどこか根本から揺らいでいることは間違いがないようだ。

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