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藤田文武維新共同代表が「犬笛」

7〜11分

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やはり維新には憲法は扱わせるべきではないと感じた。維新の藤田文武共同代表が自分を追求した新聞紙の記者の名刺をネットに晒下として問題になっている。

ネットで個人名を特定支持者に攻撃させる手法は「犬笛」的手法だ。犬笛を吹いた本人は「自分にはそのつもりはなかった」と主張するのがお決まり。トランプ大統領がよく用いる手法で兵庫県知事選挙でも問題になった。

日本国憲法は経年劣化が進んでおり特に憲法9条は改正が必要。ただし憲法改正派を巻き込む必要もある。維新は憲法改正の条文づくりに着手しているが権力者が「報道機関とはなにかは自分たちで決める」と言っている。こんな人達に憲法条文を弄んでほしくない。

創業者の橋下徹氏は藤田文武氏の手法を「(仮に本当なら)マネーロンダリングだ」と評価している。後ろ暗いところがある維新は「今後はこのような手法は内規で禁止する」といいながら、法的には問題がないから藤田氏の議員辞職については検討しないと言っているようだ。

窮地に追い込まれた藤田氏は「しんぶん赤旗」の記者の名前、電話番号、FAX番号などを晒した。実名を晒して支援者が攻撃してくれることを期待する行為を「犬笛」という。

問題は藤田氏が「犬笛行為」を認識しているかだろう。仮に認識していなければ「周囲で自然に行われている」という理由で発想したのかもしれない。実はこの無批判な文化受容こそが恐ろしい。

こうした手法は兵庫県知事選挙でも採用されている。ネットで部外者が乱入し「名前を仄めかす」ことで攻撃を誘発するという手法である。誘発者がやっているのは名前を晒すことだけなので後で何が起きても「私には預かり知らぬことである」と言い通すことができる。ただ、直接攻撃を示唆しているわけではない。

これをもっとも効果的に行っているのがトランプ大統領だ。選挙戦敗北を受けて支持者に決起をほのめかした。これがアメリカ政治史に残る議会襲撃事件に発展っしている。しかしこの事件についてアメリカの最高裁判所は「執務中の行為である」ことなどを理由に大統領の罪を問わなかった。

藤田氏は今でも「しんぶん赤旗は政治活動であって報道機関ではない」と言っている。おそらくこれも悪気のない無邪気な言動なのだろうが、与党の立法者の議会代表が権力者が政治活動と報道活動を規定できると発想していることになる。

このように藤田共同代表の言動を見ていると、どうやら日本国憲法に対する理解や民主主義に対する知見がないままに「維新の共同代表」に上り詰めてしまったことがわかる。そしてそれを抑えるような内部統制も全く効いていない。

維新は現在日本国憲法の改正条文案づくりに着手している。

当ブログは常に日本国憲法成立当時と日米安保成立当時では国際政治環境が変わっていると主張してきた。つまり憲法と同盟の間の隙間が埋まっていないことでさまざまな問題が出ていると考えている。例えば立憲民主党が軌道修正せざるを得なかったのもこれが原因だろう。

これを修正するためには憲法を改正するか日米同盟を破棄するしかないが、国民は日米同盟を支持しておりむしろ「見捨てられ不安」が強い。となると憲法が修正されなければならない。

しかしながら、この程度の政治理解しかない人たちが「前のめりで改正案を作る」ことには控えめに言っても空恐ろしさを感じる。憲法改正反対運動は一部の政治家の「人質」のように扱われている。つまり反対派(護憲派)に現実を受け入れるように説得することこそが急務だ。

藤田共同代表の「無邪気な主張」の背景には大阪・阪神という限られた地域の政治文化があるのかもしれないが、それは社会の分断を意図したものであると考えられる。経済的に停滞し地位が凋落した都市文化の行き着き先なのかもしれない。

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