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【危機管理?】自民党が戦略的高市早苗隠しで選挙戦逃げ切りを図る

11〜17分

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SNS選挙戦に強い鈴木貴子氏が、高市総理が日曜討論から逃げたのは、戦略的危機管理だったと明かした。なぜこの戦略が有効なのか、そしてなぜこの戦略で選挙以後に自民党が詰むのかを考えてみたい。

一連の問題を考えると日本の有権者の政治への絶望の形がわかる。長い間何も達成しなかった政治や社会に期待をしなくなり、できるだけ目の前の問題を考えないようにしている。しかしそれでも「意思決定」で失敗したときにために保険をかけている。

ここでふと「そんなに恐れる必要があるのだろうか?」という違和感も感じるが、ここは一つひとつの事実を積み重ねてゆきたい。

鈴木貴子氏はSNS戦略で茂木敏充氏のイメージアップ作戦などに携わっていた。そんな鈴木氏がユーザーの声に応えて高市総理の体力を温存するための危機管理だった(QED)としている。

この証明は論理的には破綻している。討論で使うのは頭と口であり、その後予定通りに行われた応援演説では痛めていたはずの手を使う。しかしSNS戦略としては成功だろう。ではなぜこれが成功なのかを改めて言語化してゆきたい。

おそらく鈴木貴子氏は自分がなぜ成功したのか、そしてそれが「有権者のニーズにはまり過ぎた」のかがわかっていない。だから危険なのだ。

靴擦れが激しいので靴を探している。しかし最近ある発見をしたので店員に頼るのはやめてAIを仕込んでいった。何軒かお店を周る内に「いらっしゃいませ!」と声がけをする店員がロボットのように見えたからである。彼らはほぼ確実に靴について聞いても何も答えられないし、何をどう調べていいかすら分からない。

ここで「最近の若い店員は!」と嘆いてみても何も変わらない。とにかく靴擦れから解放されたい。

まず問題をAIにフィードしたうえでGeminiアプリをスマホに仕込んでお目当ての商品の写真をアップ。するとその靴が靴擦れに優しいかどうかを選んでくれる。素材がソフトで、ワイド表記がある靴を選び、余裕はあまり持たせないほうが良いそうだ。これをもとに店員に指示を与えるとスムーズな買い物ができた。現在の靴屋の店員はAIの下流工程なのである。

背景にあるのは低成長社会への最適化だ。努力や自分なりの創意工夫が認められにくい社会であり「社会的な正解」通りに振る舞ったほうが成果が得られやすい。指示待ちの新入社員が増えているのはおそらくそのためだろう。彼らは、自己選択で苦杯をなめた世代から「何が正解なのか」を聞いて行動したほうが失敗が少ないという教育を繰り返し受けている。いわば戦後(=敗戦)第一世代なのだ。

社会が「考えない」ように進化すると当然顧客はそれに合わせて対応することになる。つまり靴屋は単に商品を並べておくスペースを提供しているだけということだ。靴は極めて特殊な商品で実際に履いて確かめる必要があるがそうでない商品はAmazonなどの通販一択ではないか。

こうした傾向は当然政治でも見られる。

例えば「貧乏が好きな人が高市総理を支援する」や「中国の主婦が金に手を出しておおやけど」という主語が他人の記事は読まれやすい。一方「ではどうすればいいか自分事として考えてみましょう」という記事は読まれない。極めてわかりやすく閲覧数が落ち込む。

ここから「他人の失敗を見て安心したい」「問題から自分を切り離したい」という極めて強い欲求が存在することが分かる。多くの日本人は「何もしない理由」を日々探し続けている。そしてそういう人が増えれば増えるほど「何もしないこと」が正当化されてゆく。

同時に、現在の高市人気に対して、うっすらとした違和感を抱いている人も少なくないだろう。将来もし失敗した場合に備えて、「あの時、自分は気がついていた」と思いたい。そのために距離を保っている人もいるのではないか。

単に日本人が怠けているという話ではない。「考えて動いてみたが、結局うまくいかなかった」という経験が、長年にわたって蓄積してきた結果なのだろう。

だからこそ「そもそも最初から考えない、期待しない」という行動様式が社会の主流として正当化されている。

高市総理の問題は持病の悪化であるというノイズを排除すると、鈴木貴子氏の「戦略的危機管理」の背景にあるのは、徹底して有権者に考えさせずに、ただひたすら「夢」を売り続けると言う高市総理の基本戦略。しかもその「夢」は「それっぽく正解に見える」ものでなければならない。現代の有権者は、社会的にどう振る舞えば正解に見えるか」をとても気にする。

と同時にこの戦略は選挙戦略としては正解だが政治戦略としては大失敗だとわかる。高市総理がなにか発言するたびに時事通信が高市総理の構想を否定するような記事を出している。

実際に高市総理の発言で円安が再加速。またトランプ大統領は経済ディールを求めて習近平国家主席に国際情勢を直接報告している。一方で高市総理に直接報告することなど考えられない。

また新しい文春報道では2016年に作成された挨拶状リストに統一教会関係者が含まれていたとされる。統一教会との関係も切れていなかったようだ。

仮に有権者が高市総理の訴えを理解したうえで「選択」をしているならばこれらの報道は問題にならないかもしれない。しかしながら現在の低温度の有権者が「それっぽい正解」を期待して高市総理を選択したと仮定すると、おそらく彼らは「それが正解でない」とわかった時点で自民党を支援しなくなるだろう。

当ブログの閲覧数の推移を見る限り有権者は「選択が間違っていた時の保険」もかけている。何かあったときに「私は薄々これはおかしいと気がついていたんだ」と言いたい。それくらい期待することが怖いのだ。

おそらく「正解でなくなった自民党」には切れるカードがないが、いつまでも高市隠しを選択し続けることはできない。そして自民党が選挙で成功すればするほど揺り戻しは壊滅的なものになるだろう。これが、低温度社会を観察した結果の積み重ねである。

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