トランプ大統領が中国留学生向けビザの維持について自身の政策を擁護した。自分は中国とうまくやっていると主張したが中国はそう思っておらずプーチン大統領や金正恩総書記と揃い踏みでファシズムとの戦いの継続を宣言するものと見られる。MAGAはもちろん対中国融和策に反発している。
起死回生を狙うトランプ大統領は住宅緊急事態宣言を発出し国民の関心を経済に向けようとしている。緊急事態宣言を乱用し州政府に介入する手法は反発を読んでおりまた一つ法廷闘争のタネが増えるかもしれない。
トランプ大統領の諸政策は行き詰まっている。関税は二審段階で違法と認定され下級裁に差し戻しになった。また対プーチン和平交渉もうまく行っていない。パキスタンとインド軍に介入したことでモディ首相を怒らせ結果的に中国への接近をゆるした。
なぜかトランプ大統領は中国の習近平国家主席と渡り合えると信じているようだ。中国留学生ビザ発給の方針を転換した。これがMAGAの反発を招いており釈明に追われている。
一方で習近平国家主席はトランプ大統領と個別にディールを結ぶつもりはないようだ。ロシアやインドと接近しアメリカを念頭に「弱いものいじめはやめるべき」と訴えた。中国はドル基軸体制の転換を画策しておりこの程念願の開発銀行の設立にこぎつけた。おそらく開発支援で「裏庭」の中央アジアを荒らされることを恐れていたロシアも今回は反対しなかったそうである。
プーチン大統領はウクライナの戦争はそもそも欧米の拡大主義が原因でおきたと主張し欧米中心主義の是正を訴えている。しかし経済規模は中国に比べて遥かに劣っており結果的に中国陣営に組み込まれるしかないのが現実だ。
軍事パレードでは「ファシズムとの戦い」の継続が宣伝されることになるのだろうが、金正恩総書記が装甲列車に乗って加わる。一方でインドは日本を傷つける意図はないとして参加しないそうだ。
イスラエルはガザ市攻撃を本格化させている。トランプ政権は長年の国際的約束を破棄してアッバス議長にビザを発給しなかった。ネタニヤフ政権を擁護しているものと見られており国連総会での反発が予想される。
話を合衆国に戻す。
健全な民主主義のためには国民が正しい知識を持つことが重要だ。しかし現在のアメリカは必ずしもそうなっていない。学校教育がレポート中心になっている。良い教師がいれば知識の修正も可能なのだろうが教師がいなければ自分勝手に情報を集めて思い込みに基づいた意思決定が行われるだけだろう。
例えばアメリカ人は正しい栄養の知識を持っていない。日本は給食を通じて食育教育を行っているがアメリカ合衆国の取り組みは食品会社に妨害され「ピザは野菜である」との議会認定さえ行われている。
現在はこの揺り戻しが起きており人工的な要素を排除すればもはやワクチンも高額な医療費も必要ないという極端なMAHA(アメリカを再び健康に)運動が起きている。結果的に怪しげな健康知識が蔓延しCDCの幹部が辞任したばかりでなく融資が連名でThe New York Timesに寄稿文を掲載し「長官はすべてのアメリカ人の健康を危険にさらしている」と主張している。
トランプ大統領も正しい栄養知識を持っておらず食生活はかなり乱れている。コーヒーとお酒は体に悪いと思っているようだがダイエットコークをがぶ飲みしているう。
大統領権限に関する理解も経済知識も曖昧なため多くの訴訟に巻き込まれている。
関税の司法判断で経済が混乱し、レイバーデイ明けのダウは500ドル以上安く取引された。長期金利の上昇が重荷になっている。
長期金利は住宅金利と連動しているためトランプ大統領を支える中間層が共和党を支持しなくなる可能性がある。このためベッセント財務長官が「住宅緊急宣言」をほのめかした。ベッセント長官は州に介入するつもりはないとしているがトランプ政権では緊急事態を理由に議会を迂回するやり口が常套手段化しているためこれもまた訴訟騒ぎに発展するのかもしれない。
ビッグアナウンスメントがなかったことで週末には深刻な病気なのか死んでいるのかという憶測が飛び交っていた。そこで慌ててビッグアナウンスメントの会見を行ったが内容は宇宙軍をアラバマに移すからアメリカの未来は安泰だという肩透かしの内容だった。常に派手なパフォーマンスを続けなければ死んだことにされてしまうという深刻な状態になっていることがわかる。
