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総裁選が壮大な逆宣伝装置に ステマ問題の波紋

5〜8分

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自民党総裁選が当初思っていたのと違う展開になった。どうやら国民は「自民党監視モード」に入っているらしい。すこしでもミスがあればそれを見つけ出して不信感を募らせるという心理状態だ。きっかけになったのは牧島かれん氏の「ステマ」疑惑である。

確かにブログに取り上げる程度の面白い話題ではある。しかし、ワイドショーがこぞって取り上げるとは思わなかった。背景事情は3つある。

  • 国民が自民党に期待しておらずネガティブな情報に反応しやすい「監視モード」になっている。
  • One Teamの「融和と再生」を訴える総裁選候補者たちの主張に違いがないために話題にしにくい
  • 扱わなければ「オールドメディアが隠蔽に加担している」と批判されかねない

いずれにせよテレビ朝日は実際にコメントの内容をチェックして「あ、ありました!」「同一アカウントから矛盾する内容が発信されていますねえ」などと面白おかしくやっていた。

さらに候補者同士が庇い合う姿勢もうっすらとした反感を生んでいる。

安倍派を中心とする政治とカネの問題を認識しながらまあまあなあなあで済ませようとしていた状況を思い起こさせるからだ。TBSの取材に対してある人は「すごく気持ち悪い」と表現している。

野党は「おそらく国政選挙でもやっているのでは」と指摘する。自民党内でデジタル政策に詳しいとされていたデジタル担当大臣の牧島かれん氏がやっているのだから当然の連想だろう。自民党は「SNSにはフェイク情報が流れている」「外国からの影響も懸念される」などと主張してきたが、実際には自分たちも同じようなことをやっていたのであろうという指摘だ。

事態を重く見た選挙管理委員長は小泉陣営を厳重注意している。しかしながらこの問題で大きく状勢が変わるとは見られておらず「反省しない」「変われない」自民党の姿が目立つばかりである。

自民党への反感や「なんとなく気持ち悪い」感じが払拭できないと野党が自民党に乗りにくくなる。現実的にはこれが予算審議に影響を与えそうだ。総裁選投開票は10月4日(土曜日)だそうだが国会開催は10月14日「以降」になりそうだ。特に小泉進次郎氏が総裁になった場合にはそれよりも後ろ倒しになりそうとのことである。

議員票固めでリードする小泉進次郎農林水産相(44)は、連立協議に一定の時間を要するとの考え。28日のNHK番組で「信頼関係を構築し、その先に出てくるのが連立だ」と語った。小泉氏が勝利すれば、国会開会を10月20日ごろに先延ばしするとの見方もある。

連立拡大、臨時国会までの調整焦点 与党に10月中旬召集案―自民総裁候補、維・国へ照準(時事通信)