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【飛んで火に入る】石破総理がベッセント財務長官との会談を熱望

7〜11分

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石破総理がベッセント財務長官との会談を熱望しているという。誰か止めてやらないのかと感じた。良い結果が得られる可能性はそれほど高くなさそうだ。

アクシオスがTrump’s dueling economic realities will inevitably collide(Axios)と言う記事を出している。カードゲームでおなじみの「DUEL」は決闘という意味。つまりトランプ大統領は経済の現実と戦っており最終的には衝突するだろうと言う意味になる。

金融市場はトランプ関税は経済に深刻な問題を引き起こさないだろうと楽観視している。しかしトランプ支持者たちはトランプ大統領にはなにか深い考えがあり関税を通じてアメリカが救済されると信じている。

この相反する期待を同時に満たすためにはいつまでも結論を出さない必要がある。天国にせよ審判の日にせよそれが到来すれば宗教は崩壊する。

トランプ大統領はインドネシアとのディールを発表したが詳細は不明だそうだ。また中国との合意内容は発表されていない。またベッセント財務長官は中国との交渉はうまく行っているので8月12日に決裂することはないと発言している。結局曖昧にして交渉を続けざるを得ない。

結果が確定したことで大騒ぎになっている事例もある。それがエプスタインファイルだ。エプスタイン氏はトランプ氏とも親交があったことで知られているがトランプ支持者はその事実を無視し民主党の悪行が白日のもとにさらされるだろうと期待してきた。司法省は「そんなファイルはありませんでした」と発表したが誰も納得しない。MAGA支持者たちは自分たちが期待するファイルをよこせと息巻いており、民主党でファイルを開示しろと迫っている。

更に関税は石破総理にとっても負けられない戦い。野党党首たちは石破総理に日本の明確な勝利を要求している。アメリカの勝利は日本にとっての敗北だ。

ベッセント財務長官はおそらく日本にはさほど興味はなくそもそも決裁権がない。石破総理がベッセント財務長長官に会ったところで(日本側にとって)問題が解決するとは思えない。

ベッセント財務長官には「日本が大幅譲歩したぞ!」と喧伝する動機がある。トランプ政権の閣僚たちは手柄を競い合うライバル関係にある。トランプ大統領にアピールするために「自分が石破総理をねじ伏せてアメリカに有利な(彼らから言わせれば公平な)ディールを勝ち取った」と言いたい。

さらにヨーロッパやメキシコなどに対して「日本はこんなに譲歩してアメリカの市場参加権を維持した」と主張することもできる。この手法はすでにトランプ大統領が使っている。「日本は大胆に方針転換した」と主張し他の国々にも妥協を迫っている。

仮にベッセント財務長官が日本の妥協をほのめかす発言をしたとしても数日経過すると「実はブラフだった」とわかる。

しかし「日本は大胆に方針転換」のニュースを伝えた時事通信は「政権が妥協したのではないか」との懸念を示していた。政権に対するうっすらとした不信感が強まる中でベッセント財務長官が不用意な発言を行うとそれが選挙に大きな影響を与えてしまう可能性がある。ではトランプ大統領に合えばいいのではと思う人もいるだろうがウクライナ支援問題でも不安定な言動を繰り返しており、トランプ大統領に近づくのは彼を利用したい人たちだけだ。

FNN、朝日新聞、日経新聞などが18日の会談を調整していると書いてる。これは投票日の2日前である。会談が終わった後の19日がナショナルデイということになりメディアの注目はベッセント財務長官に集まるだろう。これが選挙直前。まだ有権者の多くはどこに投票するか決めていない。

何も進展がなかったとなることを期待したい。メディアはがっかりするかもしれないがおそらくこれが石破総理にとってはベストシナリオだろう。

なお一部メディアがEUと日本の共同アライアンス構想について扱っている。フォンデアライエン欧州委員長が来日し23日にも発表する運びだそうだが、このときの首班は果たして石破氏なのだろうか。

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