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石破・ベッセント会談は成果なし 石破総理は21日の会見をセット

7〜11分

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いよいよ選挙もあと1日。石破総理がベッセント財務長官と会談を行ったが成果はなかった。これは考えうる限りではベストシナリオと思われる。そんななか石破総理は21日の会見をセットした。あるいはすでに何を言うのかをもう決めているのかもしれない。総裁選挙のスケジュールなど当然立っていないのだが高市早苗氏が早くも出馬に意欲をにじませているそうだ。投資家たちは次の展開についての予想を読みたがっている。今後の展開から目が離せない。

石破総理とベッセント財務長官が会談を行ったが、当然何も成果は出なかった。考えられる中では最良の選択肢だ。

アメリカの没落した製造業地域の人たちに気分になって考えてみよう。自分たちの製品に魅力がなかったから没落したと考えるより1980年代に日本に盗まれたと考えたほうが気持ちが楽になる。仮に製造業の復活を目指すならきちんと総括したほうがいいのだろうがその見込はない。だから事実よりイメージにすがりたい。

ベッセント財務長官はより良いディールが結べるはずだとの見解を示している。恨みを募らせるアメリカの製造業地域にとっては当然「日本にとって極めて不利」なディールこそが良いディール。ベッセント氏ははウォールストリートを代表しているので製造業地域の問題は所詮は他人事である。製造業地域が甘い夢を見ていたいならそれはそれで構わないと思っているのではないだろうか。

政権基盤が弱体化した石破総理は日本を売り渡すか無能の汚名を甘受して政権にしがみつくしかない。トランプ大統領は「日本は市場を開放しない国」という1980年代の印象を強く引きずっているため、おそらく25%関税と自動車関税の維持は既定路線だ。

アメリカ合衆国ではすでに「トランプ大統領は中間所得者の味方ではなかった」という事実が次々と明るみに出ている。共和党MAGAの支持者たちはそこから目を背けておりトランプ大統領は危ない綱の上をむくんだ足で一歩づつ前進している最中だ。

つまり悪い方からよりマシな方を選びなさいというのが今回のディールだったのである。

そんな中、石破総理が21日の会見をセットした。選挙結果が出てすぐさま退陣論が出ることを想定し布石を打ったのではないかと思えてならない。あるいはすでに結論を決めているのかもしれない。

すでに自民党では石破離れが進んでいる。田崎史郎氏はこれを「警備を重視した応援計画である」と擁護しており見ていて痛々しいほどだ。佐藤千夜子氏は「人気がないと言う話もありますけどね」と重ねていたが田崎氏の意見を否定するまでには至らなかった。テレビのワイドショーも雪崩のような自民党の凋落ぶりをどうか使うべきかと頭を悩ませているようだ。

投資家たちは早くも選挙後を見据えている。政権の手垢にまみれたテレビ局の政局報道とは違いBloombergは4つのシナリオを想定している。「お金」が絡んでいるので報道が歪むとたちまち信頼を失ってしまう。政治とテレビ局の関係のもたれ合いが常態化する中で最も信頼できるメディアと言えるのかもしれない。

  1. 衆参両院で少数与党・石破続投
  2. 連立拡大を模索
  3. 野党が一致して政権交代
  4. 石破退陣・総裁選

現在市場は1以外の選択肢を織り込んでおり、石破続投による長期金利の低下がサプライズシナリオになる。

一方で早くも高市早苗氏が総裁選出馬への意欲をにじませている。高市氏は過去に戦略的な財政出動を打ち出している。安倍総理の路線を引き継ぐもので当然中長期的には日本売りにつながるだろう。財政拡大は中長期的に日本売りを誘発するのだが内需拡大に働き当面の株式市場は活況になる可能性があるとBloombergは解説している。足元で株価が好調だが長期金利がじわじわと上がっているアメリカ合衆国からの着想なのかもしれない。

石破総理がすでに退陣を決めているのかあるいは政権にしがみつくためにわざわざ21日に会見を設定したのかはよくわからない。

ただ、各局の選挙特番は盛んに「今後」を聞くだろう。疲れ切った石破総理から何かを引き出すことができたMCが今回の勝者ということになりそうだが、池上彰氏は今回は選挙特番には参加しないそうだ。参政党はTBSの取材に応じないとしており、れいわ新選組も生放送不参加と伝えられる。