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狂い始めた歯車 高市総理が早速「独裁」宣言

12〜18分

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国民の間に、「我々と近い高市総理が即断即決してくれればいいのに」という期待が広がっている。この期待に応えるかのように、高市早苗総理は「年度内に予算を成立させたい」との意向を表明した。

しかし自民党幹部の多くは「それは無理だろう」と考えている。一方で、野田佳彦のくびきから解放された中道改革連合は、「国民会議には参加しないかもしれない」と主張を変え始めた。早くも歯車は狂い始めている。

自民党は高市政権の独裁化を恐れ、野党はあらゆる失敗を高市総理の責任に帰そうとしている。そしておそらく霞が関は、「触らぬ神に祟りなし」を決め込んでいるはずだ。

通常予算を決める特別国会の開催が決まった。18日に招集され、7月17日まで続く予定である。

こうした中、朝日新聞は、「政権幹部『野党質問、そんなに要らない』 『高市1強』国会にも攻勢」という記事をいち早く配信した。本文は有料で、見出しだけが無料公開されているため、タイトルだけが一人歩きしやすい。

ただ、「これを後押しするかのように、高市総理が自民党幹部に対して年度内成立を諦めないと伝えたと、時事通信が報じている。野党の質問時間を減らして主張したいことだけを主張する。堂々の独裁宣言だ。

首相の指示を受け、自民党内では与党の質問時間を削るなどして、予算審議を例年より短縮する案が浮上している。野党の反発は避けられず、自民幹部は「野党との交渉次第だ」と語った。

高市首相「年度内成立諦めない」 26年度予算案、自民幹部「困難」(時事通信)

自民党政治には、わかりやすいパターンがある。有権者の期待と霞が関の支援を両立させるため、有権者には「改革」を掲げて期待を高めつつ、裏では粛々と負担増の議論を進める手法である。その典型例が小泉政権や第2次安倍政権だ。

有権者が政策を合理的に判断しにくい状況では、このやり方で数年間の国会運営が可能になる。小泉政権は5年以上、第2次安倍政権は7年間、この方式で政権を維持した。有権者は意外と「チョロい」のである。

しかし、今回の高市政権は、むしろ民主党政権に近い。現状打破を訴えはしたものの、具体的な政策の見通しは十分に固まっていなかった。これを裏付けるような発言をREUTERSで拾うことができる。ある政府関係者(名前すら出したくないらしい)は「どんな結果が出ても自分たちは面倒を見きれない」と言っている。何が起きてもそれは有権者のせいだというわけだ。これが現在の霞が関の空気である。

「責任ある積極財政」が賃金と物価の持続的な好循環につながるのか、それとも円安やインフレ圧力を強める結果に終わるのか。ある政府関係者は、高市政権が行っているのは「一つの実験」だと表現。その成功も失敗も国民の選択の結果だと語った。

マクロスコープ:日銀審議委員人事で探る高市政権の市場観、「謙虚」か「強気」か(REUTERS)

かつて藤井元財務大臣が「財源はなんとかなるから、細かいことは考えなくてよい」と主張したことを記憶している人も多いだろう。しかし実際には財源はどうにもならず、結果として「野田佳彦が財務省に押し切られて消費税増税を主導した」という評価が定着した。民主党政権は崩壊し、党そのものも弱体化していった。

おそらく、実際の財政状況を把握している自民党幹部たちは、「高市総理が期待を高めすぎた」と考えているはずだ。そのため、野党との過度な対立を避けようとしている。

理論上は委員長ポストを独占できる状況にあるが、形式的にいくつかの委員長ポストを野党に配分する方向で調整しているという。

衆院選での自民大勝を受け、自民党は常任・特別委員長と審査会長の全ポストを与党で独占する方針だった。しかし13日の各派協議会では一定の譲歩を示し、常任・特別委員会を一つずつ野党に割り当てる案を提示した。中道改革連合はさらなる譲歩を求め、協議は継続されている。

高市首相「年度内成立諦めない」 26年度予算案、自民幹部「困難」(時事通信)

一方で、中道改革連合は、野田佳彦氏の影響から脱却できる可能性もある。そもそも「国民会議」は、野田氏の自己防衛的な判断から始まった側面が強い。

立憲民主党内で、江田憲司氏らのグループが消費税減税を主張し、党はそれを受け入れざるを得なくなった。しかし、野田氏の過去の主張とは整合しないため、「給付付き税額控除までの限定措置」という形で辻褄を合わせたのである。

立憲民主党の有志議員による勉強会「不公平税制の抜本改革で消費減税の財源をつくる会」(会長・江田憲司元代表代行)は16日、先にまとめた消費税率を一律5%へ引き下げる法案の骨子案を野田佳彦代表に提出した。次期衆院選の公約作成の際に議論の俎上(そじょう)に載せるよう求めた。多くの野党が消費税減税を主張していることを踏まえ、野党連携につなげる狙いがある。

立民有志、消費税5%を提言 江田氏「野党連携進める」(時事通信:2025年12月16日)

野田佳彦代表は公明党と組むことで江田憲司氏ら党内のライバルたちを粛清することには成功したがその代償として2度目の政党破壊の戦犯となった。戦後政治史の愚か者の殿堂が作られるとすれば、真っ先に名前が上がることになるだろう。

新たに中道改革連合の代表に就任した、元自治・総務官僚の小川淳也氏は、この辻褄合わせに付き合う必要はないと考えているようだ。それが「アリバイ作り」である可能性を見抜いているからである。

小川氏は記者会見で、「各党との連携を深め、国民生活と将来の見通しに貢献できるよう全力を尽くす」と述べた。

自民党が衆院選で公約に掲げた消費減税の財源やスケジュールを議論する超党派の「国民会議」については、「与党からの正式な打診や姿勢をよく見極めたい。単なるアリバイ作りなのか、真摯に国民生活を改善しようとしているのかを慎重に判断したい」と述べ、参加の可否を明言しなかった。

中道改革連合、新代表に小川氏 国民会議参加は「慎重に見極め」(REUTERS)

玉木雄一郎氏率いる国民民主党も、負担増の共犯者にされることを警戒し、「まずは国民の付託を得た自民党が党内で提案をまとめるべきだ」と主張している。その上で、「現役世代の負担軽減を訴える政党」という立場を強調している。

三分の二の議席を確保し、理論上は何でもできるはずの自民党である。しかし実際には、「勝ちすぎてしまった。これから高市総理をどう抑えるべきか」と戸惑う幹部も多い。

一方、立憲民主党や国民民主党は、「せっかく議席を得たのだから、どうぞご自由に」と距離を置く姿勢を見せている。

まさに、不思議な国ニッポンの、不思議な永田町といった風情である。

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