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アメリカが日本は防衛費を5%にしろ!と要求

7〜10分

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ついに恐れていた事態が起きた。アメリカ合衆国がすべての同盟国に対して防衛費をGDPの5%まで引き上げろと言っている。問題はこれがトランプ大統領の不規則発言によるものではないという点にある。

だが、保守と呼ばれる「統合された責任」を取りたくない未熟な人たちはこの現実から目を背け、中国に対峙するためには盤石な日米同盟こそが必要だというありもしない物語に固執することになるだろう。

弱腰野党を背景に高市総理が個人的な理由で選択した「自己都合解散」だが、思わぬ逆風に見舞われた。

トランプ大統領の不規則な発言で株価が下落。ベッセント財務長官が責任回避のために「日本の国債市場こそ炭鉱のカナリアではないか」と声高に叫んだ。これをきっかけに日本に注目が集まったが日本の政界からはこれと言った説明が出ていない。片山さつき財務大臣一人がほそぼそと対応しているだけである。

加えてアメリカで国家防衛戦略が改定され、同盟国にGDP比5%の防衛費負担を求めることになった。日本は安全保障戦略を見直すからとアメリカに理解を求めるそうだが、これは何の役にも立たないだろう。

格差が拡大するアメリカでは中流階層の没落が始まっている。この問題を根本的に解決できない議会は長らく膠着状態にあった。民主党は軍事費を人質に取り、共和党は医療福祉予算を人質に取っている。こうした傾向はオバマ政権の2期目から広がっており、今も解決の見通しが立っていない。

世界覇権を維持できなくなったアメリカ合衆国は「撤退」という言葉を使えないため「西半球に自立圏を作る」という構想を提示している。一方でアメリカの不在の隙を突いて中国が突出してくることは恐れていて、そのための捨て石も求められている。

おそらく日米同盟に詳しい人達は構造がわかっている。しかし「日米同盟懐疑論」は自分たちの政治的ポジションを危うくする。だから、様々な言説で現状を誤魔化してきた。しかし、最近ではSNS経由でダイレクトに「壊れつつあるトランプ大統領とアメリカの不都合な現実」が流れてくるようになった。

それでも保守と呼ばれる成熟していない人々は「覇権主義を強める中国と対峙するために盤石な日米同盟を維持する必要がある。だから個人としてトランプ大統領と馬が合う高市早苗総理こそが日本のリーダーにふさわしい」というありもしない希望の物語に固執するだろう。

しかしながら現実はそうではない。トランプ政権は韓国をウクライナ化しようとしている。アメリカ軍は自分たちの兵力を犠牲にしたくない。韓国は勝手に北朝鮮と戦えばいい。

確かに今回の国家防衛戦略には第一列島線についての記述がある。ありもしない希望の物語に固執する哀れな人達はこれを根拠にアメリカは引き続き地域情勢にコミットしてくれる根拠と考えるだろう。

中国に対しては、「米国や同盟国を支配できないようにする」と説明。九州・沖縄から台湾、フィリピンに至る「第1列島線」に沿って「強固な防衛を構築する」方針を打ち出した。軍事力増強を警戒しつつ、偶発的な衝突回避や緊張緩和のための対話を目指す姿勢も示した。ただ、今回の戦略は台湾には一度も言及しなかった。

米、本土防衛が最優先 同盟国にGDP比5%要求―対中抑止は維持、台湾言及せず・国防戦略(時事通信)

しかし、朝鮮半島から手を引きつつあるアメリカ合衆国の本音はざっとこんなところではないか。

世界覇権からは手を引きたい。中国と貿易はしたい。かと言って中国に取って代わられたくない。ここは勇ましい発言を繰り返す日本を焚き付けて中国に対する使い捨ての瓶の蓋として利用しよう。

EUのフォン・デア・ライエン事務総長は現在起きているイベントを不可逆な変化であると位置づけ「時間稼ぎの思考停止はヨーロッパを脆弱にするだけだ」と警鐘を鳴らしている。だが、日本には本物の勇気を持ったリーダーがおらずありもしない物語に固執する人々がいるだけである。

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