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日本の保守ってこんなもんなんだろうなあ 日本保守党の内紛と空中分解

9〜14分

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イデオロギーがファッション扱いされている日本では利害関係と美しいイメージだけが政党を支えてきた。

自民党では利害分配構造が崩れかけており内紛につながっている。総裁選が悲惨な推移をたどるのは彼らがONE自民を強調すれば強調するほどこの分裂ぶりが顕著に現れるという点にある。

ではそもそも利害がない政党はどうなるのか。日本保守党が分裂騒ぎを起こしている。

河村たかし氏が「どえりゃー苦労したのに」と怒っている。百田尚樹氏から一方的に解任を通告されたらしい。よろず〜などを見れば「内紛の中身」はわかるのかもしれないが、自治会のおじいさん・おばあさんたちの内紛レベルの話でしかなさそうだ。つまり誰が誰に指図するかで揉めているようにしか見えない。深堀りしてなんの意味があるのかというきになる。

ウェブサイト上では日本保守党には5人の議員がいることになっている。

  • 衆議院議員: 3名
    • 河村 たかし
    • 島田 洋一
    • 竹上 ゆうこ
  • 参議院議員: 2名
    • 百田 尚樹
    • 北村 晴男

このうち竹下ゆうこさんが日本保守党を「離党」した。離党届は受理されておらず百田尚樹さんは竹下氏に議席を返納するように求めている

東愛知新聞という媒体が竹下さんが主張する内幕を書いている。もともと東海地区が地盤だったが地盤を縮小するように一方的に求められたそうだ。有本香氏は事あるごとに「政党の名前で受かったのだから私たちの言うことを聞け」と命じ辟易していたと書かれている。

その後、河村たかし氏が「どえりゃー努力したのに」と怒っている。百田さんに一方的に「離縁」を通告されたらしい。百田さんはもともと自分たちの政党なのだから言うことを聞かない河村たかしさんに出ていってほしいのだろうが愛知県の河村人気への期待を利用したのも確かだろう。

河村たかし氏は名古屋市長として「減税」を掲げて一定の成果を出している。

つまり愛知の有権者は「保守」というイデオロギーではなく「減税」に期待していた可能性がある。しかし同じバスケット(政党名)に両方の票を入れているので後から仕訳するのは不可能だ。

なんとなく双方の言い分を聞いてみたい気はするが、日本人の政治議論を聞いていると人格と課題が分離できないことがほとんどだ。

アメリカでも議論が白熱すると同じようなことは起きるし課題解決型の議論が盛んなドイツでも政治的議論を諦める人が多く出ているようなので「だから日本人は」などと言うつもりはないが、やはり学校で課題解決型の議論を習得しない影響はかなり大きいように感じられる。

いずれにせよ両方の話を聞いてもさほど有益な情報は引き出せないのではないか。

この問題を日本保守党固有の問題と考えることはできる。しかし「利害構造が崩壊した利益分配政党がどうなるか」と考えたくなる。自民党の総裁選挙が悲惨な状況になっている。イメージを重視すればするほど内面の醜さが浮かび上がる。そして地上波は徹底的にそれを無視しようとする。

かつての自民党を知っていたおじいさんたちはそれを取り戻したい。そのために期待するのが「血統が良く見た目もさわやかな」小泉進次郎さんだった。思い出はいつも美しく美化されるものだ。

ところが選挙戦を通じてさまざまな問題が浮上した。第一にデジタル担当大臣も担当した牧島かれんさんが高市早苗さんを誹謗中傷するコメントをファンに依頼したことがわかっている。

ところがデイリー新潮が「牧島かれんさんは単に尻尾として切り捨てられただけ」と伝えている。黒幕とされているのが小林史明さんとそのブレーンである。牧島かれんさんは「それでもマイルドにした」ようだ。小林史明さんは「知らないっすね」だそうだ。

さらに神奈川県連では826人に投票用紙が送られなかったという問題が報じられた。小泉進次郎氏は「事実無根なので文春に訂正を求める」としている。

地上波では取り扱えなくなったこの問題はネットでは引き続き継続案件ということになっている。ヤフーニュースのAIまとめでは具体的な県議の名前まで取り沙汰される有り様である。いずれにせよ神奈川県連が「王子様」をもり立てようとするなかで不満を感じていた人がいたのは明らかだ。

問題の本質は「何が真実か」ではない。かつての自民党の勢いを取り戻したい高齢者たちの記憶は知らず知らずのうちに美化されており小泉進次郎氏に「かつての自分たち」のありもしない面影を求めている。

水上に出ているのは美しい思い出なのだが水面下では泥沼の権力闘争が繰り広げられている。そして現在のSNSはこのギャップを残酷なまでに明確に映し出してしまうのだ。

日本保守党の問題は「そもそも美しい水上部分」がないだけであって本質的には今の政治言論状況をよく表しているといえるのかもしれない。言うまでもないことだが高齢化した左派界隈でも同じような事は起きていると考えたほうがいいのだろう。

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