ミネアポリスのICEを巡る混乱の構図が徐々に見えてきた。もともと火を付けたのはトランプ大統領だがあっという間に燃え広がり収拾が困難になっている。しかしトランプ大統領は強力な免責特権に守られた放火犯だ。代わりに報復を恐れているのがICEの人々。彼らにとってカメラは拳銃以上の凶器だった。だからカメラを持って向かってきた人を撃った可能性が高い。
とはいえこれだけでは単なる憶測に過ぎない。一つ一つ何が起きたのかを積み重ね「集団心理の恐ろしさ」を紐解いてゆきたい。
もともと政治キャンペーンンのための放火だった。そのために選ばれたのがカウボーイと称されるグレッグ・ボビーノ司令官と政治的カウガールとしてのし上がってきたクリスティ・ノーム国土安全保障省長官だった。しかしこの二人の組み合わせは地元の強烈な反発をうんだ。
BBCのカメラはみんな怯えていると涙ながらに訴える市民の様子を捉えている。そんな中でミネソタ州の有志はICEの人々の顔写真を撮影してデータベースを作り記録を残すことにした。状況が落ち着いてからじっくりと彼らが何をしたのかを裁けるような環境を作ったのだ。
状況は次第に悪化していったが「上の方の人たち」は一向に責任を取らない。当初ミネソタ州とミネアポリス市を反乱者と呼んでいたトランプ大統領は「ミネソタ州知事と建設的な会話ができた」とポジションを変えた。印象操作を行い何事もなかったといいたげだ。ホワイトハウスはノーム長官のカウガール的発言から距離を置いている。
おそらく現場の人たちは「何かあれば自分たちが切られる・断罪される」と考えるようになった可能性がある。だから彼らにとっては拳銃もカメラも同じようなものだったのだ。
結果的に普通のアメリカ人(=白人)の母親が殺されたところが転換点となり、更には銃を携帯しただけで「テロリスト扱い」されたことが全米ライフル協会の怒りを買った。
トランプ大統領は放火は得意だが消火活動はすべて部下に任せている。しかしそもそも選挙キャンペーンのために火を煽るのが得意な人をわざわざ選んでいるうえにそもそもミネソタ州を「反乱者」と位置づけてきた。このため、謝罪はせずに消火活動ができるトム・ホーマン氏を現場に投入し、カウボーイ(グレッグ・ボビーノ司令官)を下げることにした。ただし状況の混乱にかなり焦りをつのらせていたようだ。
全米ライフル協会の怒りを買い選挙への悪影響を恐れ始めた共和党はノーム国土安全保障省長官の首を切って問題を終わらせようとしている。
そもそもこれが単なる選挙キャンペーンのための放火だったとすると、そのために普通のアメリカ人が2名殺され、作戦に参加したICEの人たちは後日の政治的報復を恐れ続けなければならないということになる。「上の方の人たち」は責任を取らない。被害者は前線にいる市民やエージェントたちだ。
強い免責特権に守られた放火犯であるトランプ大統領は一切責任を取る必要がない。そしてそのトランプ大統領の援助をあてにしている共和党の議員たちも積極的に「正しい」行動を起こすことはない。アメリカ人はこれを民主主義と言っているが、仮にこれが民主主義のあるべき姿とすると、民主主義は単なる錯乱か狂気の別名ということになる。

コメントを残す