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戦略なき高市総理大臣が財政メルトダウンを起こす可能性

9〜13分

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読売新聞で解散総選挙の話が出て以来、

  • 今回の解散総選挙は経済産業省財務省の対立が背景にある

という仮説を立ててきたが、この仮説は棄却したほうが良さそうだ。

高市総理の解散表明からはどちらの言語が主要であったかは確認されなかった上に、REUTERSで意外な記事を見つけた。

まずこれまでの仮説をおさらいする。

読売新聞の解散総選挙報道の起点と一部で囁かれているのが今井尚哉氏。しかし今井尚哉氏は台湾有事問題で総理と対立しており直接話ができる人リストには入っていないと新潮は主張。また高市早苗総理は片山さつき財務大臣とは直接話をしているとも言っている。また中道改革連合が持ち出した消費税減税プランにも対案が出せなかった。財務省の官僚が付いてくることができていないからだ。

つまり

  • 今回の解散報道を高市総理はコントロールしていなかった
  • 逆に解散報道を仕掛けた人たちは意思決定に入っていない

可能性がある。

ここまでは「今井尚哉氏が経済産業省と一体で動いている」という前提をおいていた。しかしこれが覆った。REUTERSは「経済産業省」とは書きたくなかったのだろう。ある経済官庁幹部と表現している。制度設計や財源について議論した形跡がない(=私たちは知りませんよ)と言っている。これは外務省が「岡田克也氏に問取りしましたよ(=私たちのせいじゃないですよ)」と言うのに似ている。彼らもまた意思決定から排除されている。

ある経済官庁幹部は、高市氏が事前に制度設計や財源について政府内で議論を詰めた形跡がうかがえないとし、「果たして後先のことを考えた上で訴えているのか」と首をかしげる。一時は為替や金利の動向に懸念を深めていた高市氏だが、選挙戦を控え「とにかく有権者に響く政策を並べることに注力している」とした上で、こう危機感をあらわにした。「このままでは財政がメルトダウンを起こす」

マクロスコープ:高市氏、政策実現に意欲 「財政のメルトダウン」警戒の声も(REUTERS)
  • 高市総理が意思決定を独占しているが状況はコントロールしていない
  • 総理周辺が勝手に状況を作ったが意思決定には関与できていない
  • 官僚も関わっていない

ここで出てくる疑問は「この機関車は誰が操縦しているの?」というものだが、おそらく「誰も操縦していない」のだろう。

政治分析をそれっぽく見せるために「強大な敵」が欲しいのだが実際にはそんな人はいないのではないか。

さらに自民党・立憲民主党・公明党・国民民主党は「これまでの予算立案では選挙アピールのための原資が捻出できない」と気がつき始めており、国民会議なるものを作って責任を曖昧にしようとしている。だから野党にも期待できそうにない。

おそらく、経済メディアや地上波などはこの「集団無責任体制」に気がついている。噂はコミュニティで広がり一部がREUTERS報道のような形で出てくる。

ではこれが「日本にとって絶望的なのか」ということになるのだが、意外な形で調整が入りそうだ。ベッセント財務長官が日本に対して「くれぐれも日本発で問題を起こすなよ」と警告しているようだ。期待しているわけではなく命じているのである。

ベセント長官は、日本の10年国債利回りがこの2日間で大幅に上昇したとし、日本当局が「市場を落ち着かせるような発言を始めると確信している」という認識を示した。

日本当局が市場鎮静化へ発言と確信、米財務長官 長期金利上昇で(REUTERS)

なぜベッセント長官は日本にそう命じたのか。

まず欧米の間で緊張が高まっており国債が揃って下落する危険が生じている。アメリカのお金融市場はなんとか持ちこたえたのだが最高裁判所の関税判断が無期限延期された。このために米国売りの可能性が出ている。

日本の低金利は国際市場のマネーの供給源になっている。日本が急速に「正常化」してしまうとマネーの流れが滞り日本発の金融ショックが生じかねない。厳密には日本単独で引き金を引くことはないが同時多発的に起きている問題の「原因の一つ」になりかねない。つまり高市総理は(意識はしていないのだろうが)火事が起きているところでタバコを吸っているような状況になっている。

国際法やノーベル平和賞はトランプ大統領を世界秩序の破壊を止める原動力にならなかった。軍事力でアメリカを制限できる国はない。また日本の一億総務責任体制も自分たちの力では修正できそうにない。

しかしながら金融市場が一度動き始めればトランプ大統領も高市総理も行動を抑制しなければならない。おそらく人はこれを「神の見えざる手」と呼ぶのだろう。

しかしこの「合成神」には意思がない。一人ひとりの意思決定が合成された結果だからだ。このためいつも「神」が人間の都合がいいように状況を調停してくれるという保証はない。だからこそ警戒感をもって状況を注視しなければならないのである。

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