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徹底抗戦を誓うイランと不確実性を増すホルムズ海峡

7〜11分

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アメリカ合衆国は最初の6日間で110億ドルを費やしたとされている。ドナルド・トランプ大統領が110億ドルで買ったものは、100ドルを超えて高止まりする原油価格と、イランの深い恨みだけだったのかもしれない。ホルムズ海峡の情勢が不安定さを増し誰も正解がわからなくなっている。

イランの新指導者であるモジタバ・ハメネイ師が声明を発表した。当ブログではこれまで、イランが「合理的解決」を目指すのか、それとも神秘主義的な神権政治へと傾くのかに注目してきた。世界平和の観点からは前者が望ましいのだが、現状はそうなっていないように見える。

モジタバ師は自ら肉声で声明を読み上げることはなく、アナウンサーによる代読という形が取られた。モジタバ師は次第に「隠れたリーダー」のような存在になりつつある。

声明では、アメリカ合衆国に対して徹底的に戦うよう呼びかけ、ホルムズ海峡封鎖の必要性を強調したとされる。しかしこれは代読による発表であり、モジタバ師自身の意思がどこまで反映されているのかは判然としない。

今回の攻撃では、アリー・ハメネイ師と周辺の高位公職者が軒並み死亡したとされている。またモジタバ師自身も巻き込まれて負傷した可能性が指摘されている。しかし各地のイスラム革命防衛隊はほぼ無傷で残っている。結果として今回の攻撃は革命防衛隊の影響力を相対的に強め、誰と交渉すべきなのかが見えにくい状況を生み出している。

本来であれば合理的に「交渉相手」を探すべき局面だが、イスラエルはトランプ大統領に交渉相手を示していないとされる。その結果、マスウード・ペゼシュキアン大統領とパイプを持つウラジーミル・プーチン大統領に頼らざるを得ない状況になりつつある。プーチン大統領は制裁解除などの「カード」をちらつかせながら、トランプ大統領に接近しているとみられる。

トランプ大統領の発言はますます支離滅裂になっている。彼は船会社に対しホルムズ海峡を利用すべきだと主張している。しかし船会社はアメリカ海軍に護衛を依頼しているものの、海軍は「危険だから護衛できない」と回答している。アメリカ海軍が危険だと判断する海峡を、民間船が「根性」だけで安全に通過できるはずはない。

またトランプ大統領は、ホルムズ海峡はアメリカが支配していると主張する。しかし現実には、海峡を比較的自由に通過している船の一部はイラン産原油を運ぶ船舶である。少なくとも現状を見る限り、アメリカ合衆国が海峡を完全に支配しているとは言い難い。

事態を重く見たヨーロッパ諸国は、共同でホルムズ海峡の安全確保に当たることができないか検討を始めた。議論を主導しているのはエマニュエル・マクロンで、イギリス、ドイツ、イタリアなどが協力を申し出ているとされる。ただし「状況が落ち着けば」との但し書き付きだ。

これまで日本の政治を支えてきた「正解」は、いま溶けつつある。そして石油価格の高騰という現実に直面することで、旧来の高市支持者の一部は、躍起になって現実を否定しようとするかもしれない。

しかし次世代のリーダーは、日本政治の上から下まで浸透したこの状況を冷静に見据え、「危機を乗り越えるために自らの頭で考える」という第一歩を踏み出すべきではないだろうか。


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