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崖っぷちのネタニヤフ首相 今度の標的はシリア

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イスラエルのネタニヤフ政権は超正統派の政権離反で過半数を失った。政治生命を維持するためには、再び国会が動き始める秋までに局面打開を図る必要がある。

そんなイスラエルだが今度はシリアの国防省を攻撃しシリア南部に緩衝地帯を作れと圧力をかけている。

常に政治的に崖っぷちの状態にあるネタニヤフ首相はありとあらゆるところに難癖をつけて戦争を継続する必要がある。エビデンスはないものの次のターゲットはシリアのようだ。

ルビオ国務長官が「終結のための具体的な措置を行った」と宣言した。攻撃の激化を防ぎつつ「ディール」に持ち込もうとしている。アメリカはシリア南部の暴力行為をシリア政府が放置していると指摘した上でシリア政府に何とかするように持ちかけている。

これはトランプ政権ではよく見られる手法。一方的に攻撃を仕掛けたうえで「エスカレーションは望んでいない」と宣言。相手に不利な条件を飲ませようとしている。関税交渉ではおなじみの図式だ。FBRのパウエル議長にも同じような攻撃を行っている。市場の動揺を避けたいので辞めさせることはないが辞めてもらいたいと言い続けているのだ。

我々日本人は、恫喝によってしか相手を動かせない国と同盟関係にあるという「新しい現実」を受け入れなければならない。

ネタニヤフ首相は汚職裁判を引き伸ばすためには政権にしがみつくしかない。そのためにはイスラエルが常に非常事態にある必要がある。

アメリカ合衆国もいっけん地域の和平のために一生懸命に努力しているような印象だが、冷静に考えると単に言いがかりをつけるイスラエルに加担しているに過ぎない。一方でトルコはシリア政府を支援している。

記者会見で自慢したいだけのトランプ大統領はそもそもこの話題では全く出てこない。和平交渉が成立した暁にホワイトハウスで記者会見を行い支持者たちに褒めてもらえることだけに関心があるのだろう。

せっかく大統領になったのだから人類平和のために貢献したい、限りある人生で何からの意味のあることを成し遂げたいという欲求は内面から湧き出すもの。これを自己実現欲求という。

しかしながらこの自己実現欲求は周囲からの承認が満たされてはじめて発動するものなのかもしれない。トランプ大統領は永遠の承認欲求を満たすためだけに今日も執務室でダイエットコークをがぶ飲みしSNSで情報発信を続けている。