トランプ大統領の不規則発言に端を発したドル安が日本では「円高」として語られており危険な兆候だと感じた。そこで報道を整理した上でChatGPTに整形してもらった。
- トランプ大統領、ドル安懸念せず-ドルは対円や対ユーロで一段と下落(Bloomberg)
- 焦点:ドル売り再び活発化、トランプ政策含め下押し材料相次ぐ(REUTERS)
- 日本市場、ドル大幅安で株安へ-トランプ発言余波、40年債入札に注目(Bloomberg)
浮かび上がってきたのは日米の意識の隔たりの大きさと溝の深さだ。高市早苗総理は情報チャネルが限られており伝わるチャネル(財務省)と伝わっていないチャネル(防衛・安全保障)がある。このアラインメントのズレは不規則発言を繰り返す高市総理によって大きく増幅されかねない。
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前提:いまアメリカの金融市場で起きていること
現在のアメリカの金融市場は、短期的には株式市場の好調を評価しつつ、長期的にはドルの信認低下を警戒しているという、ねじれた状況にある。
- 株価は好調
- 一方でドルからの逃避は進行
- 金は「危機が顕在化していない段階の保険」として買われている
これは急性ショックではなく、「慢性病・低温度危機」と呼ぶべき状態だ。
トランプ大統領の「ドルの価値は素晴らしい」という発言は、市場に安心感を与えるどころか、ドルについて明確なポジションを持っていないと受け取られ、結果としてドル売りを誘発した可能性が高い。そしてベッセント財務長官がドル円介入は行っていないと異例の声明を出している。市場関係者はドルに何が起きていたのかを理解し、普段は表に出ない消防士が表で発言したことの意味などを静かに悟ったことだろう。
分岐点:FRBは何を優先するのか
この「保険(=金)」を外してよいかどうかの重要な判断材料が FOMC である。
分岐点は明確だ。
- 本気でインフレを抑えにいくのか
- それとも政府財政を優先し、金利上昇を抑えるのか
次期FRB議長候補とされるブラックロックのリーダー氏を見る限り、市場は 「インフレ容認・債券価格下落容認」 のシナリオを読み取りつつある。これはドルの信認にとってはマイナスだが、それほどまでにアメリカの債務問題が深刻であることの裏返しでもある。リーダー氏はトランプ大統領に対する忠誠心に問題があるとされているがそれでもリーダー氏が選ばれると市場は問題の深刻さを認識するだろう。
市場は何を見ているのか
この見方が正しいかどうかは、以下の指標で確認できる。
- 金価格が「前回の谷」を割り込まずに再上昇するか
- 高水準の SKEW が維持されるか
これらは市場がドルに対して構造的な警戒感を持っているサインとなる。
同時に、ハイテク株が明確に「谷を割り込んで下落」し始めた場合、それは楽観相場の終わり、いわば 打ち止め を示唆する可能性が高い。
日本側の構造的な問題
一方、熊野英生氏が指摘するように日本は慢性的な円安構造にある。
- 物価上昇率が2%
- 政策金利が0.75%程度
であれば、実質金利はマイナスであり、
- 円建て金融投資
- 国内企業投資(賃金含む)
のいずれも合理化されにくい。
熊野氏が指摘するように、日本は実質的に インフレを容認 している可能性が高い。この結果、円預金は静かに価値を削られ続ける。潜在成長率が0.5%程度であれば、2%の物価上昇の大半は コストプッシュ型と推定できる。
日本人の資産と「使えなさ」
日本人は世界でも突出して多くの金融資産を保有している。しかしそれを 自国民を豊かにする方向では使えていない。いわば日本は資産の面からは日本ファーストではない。
むしろ、
- 自身は困窮感を抱き
- 世界の消費を金融的に支えている
という歪んだ構造にある。
不合理だが、過去30年の経緯を考えると「合理的に見えてしまう」点が、この問題をさらに根深くしている。
消費税論の位置づけ
消費税対策は、
インフレの痛みから逃げられない人を助ける 緩和剤 ではある。しかし、抜本的な成長戦略ではない。
ここでいう「弱者」には、
- 資産を持たない人
- ITリテラシーがなく海外市場に出られない人
が含まれている。
伝わっていない「アメリカの余裕のなさ」
日本では、
- アメリカがインフレか金利上昇のどちらかを選ばねばならない状況にある
- 議会・金融市場が極度にナーバスになっている
という事実が、ほとんど共有されていない。
高市政権と「認識のズレ」
このため、高市総理の一挙手一投足がアメリカを怒らせている可能性に気づいていない。
- 台湾有事発言
- 消費税減税議論による日本発金利高騰リスク
これらは、日本側には内政問題に見えても、余裕を失ったアメリカのステークホルダーには別の意味を持つ。日本が低金利特異点として円キャリートレードを通じ世界を支えているという自覚も、日本側には乏しい。
ただしこのズレはある程度片山さつき財務大臣によって修正されている。高市総理は演説で消費税減税について言及しなくなった。彼女にはすでに片山さつきと言うデコーダーを通じてアメリカのメッセージを読み込んだのだろう。
トランプとの相性問題
高市総理にその自覚はないだろうが、立ち位置は 「日本版クリスティ・ノーム」 に近づきつつある。
トランプ大統領は、
- 自分がルールブレイカーになるのは許容する
- しかし「問題を起こすトラブルメーカー」は嫌う
という性質を持つ。
北朝鮮を核保有国と表現した発言はおそらくアメリカをかなり怒らせているはずだ。他国発の「事実上の承認」は、トランプにとって好ましくない。さらに深刻なのが「「逃げれば日米同盟つぶれる」 台湾の邦人救出、共同作戦を示唆」だ。この発言は当然アメリカ合衆国が中国を刺激することが前提になっている。
しかしトランプ大統領の防衛戦略は第一列島線については触れているが台湾への言及はない。
おそらくトランプ政権は中国との貿易は望んでいるが、覇権国家として取って代わられることを警戒するアンビバレントな状態にある。この為、日本に対するメッセージには優れたデコーダーが必要である。しかしそのデコーダーはカウボーイであるヘグセス国防長官と「ビリーズブートキャンプごっこ」を楽しんだ小泉進次郎防衛大臣なのだ。
結論:日米の認識のズレは危険水域にある
アメリカ合衆国が余裕を失う中、日米の認識のズレは、かなり危険なレベルに到達しつつある。
メディアも状況を十分に理解できておらず、今回のドル安・円高局面が「円高介入」と誤認されたまま伝わった。だからヘグセス長官が介入を否定した意味が宙に浮いてしまっている。
もちろん、基軸通貨ドルの信認が一夜で消えることはない。しかし、火事が起きているのに、日本人が気づかないという事態は十分に起こり得る。財政・金融はまだ救いがあるが、安全保障の「デコーダー問題」はかなり深刻。
更にそもそも日本がアメリカをナーバスにしているという認識もないのだからこのズレはやがて日米の火種になる可能性がある。そのとき日本人は「なぜ?高市早苗はトランプ大統領のお気に入りだったのでは?」と当惑することになるだろう。

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