9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方

日本銀行の植田総裁が慎重に準備された原稿を読み金融市場は12月利上げを折り込み始めた。日本経済は金利上昇か円安かという二者択一を迫られ、誰かがコストを支払わなければならない状況だ。そんなかで金融市場は高市早苗総理の「全ては政府の責任」という発言に一抹の不安をいだいている。

日銀の植田総裁が会見を開いた。事前に準備されていた紙を丁寧に読んだため「政府と事前のすり合わせができている」と理解されたようだ。

「事前にすり合わせができているのだろう」という観測を裏打ちするように、財務大臣と成長戦略担当大臣は揃って「賃金上昇を伴う2%成長」を条件に植田総裁の発言について介入しない姿勢をにじませた。国会答弁がボロボロで総理にレスキューしてもらった城内実大臣の発言はそれほど重要視する必要はないかもしれないが片山財務大臣と同じ紙を読んでいるのは安心材料だ。

片山財務大臣の為替介入を示唆する発言と合わさり、日米金利差が縮まると理解され円安はある程度収まったそうだ。それでもドル円の水準は以前から比べるとかなりドル高にあることは間違いない。そもそもドルもユーロに対して値を下げている。

一部で不安視されていた国債入札は無難に通過したようだが新規10年債利回りが1.880%に上がった。これは2008年6月以来の高い水準である。

このように日本の財政を巡る情勢は、次第に「円安を容認するのか」「金利の上昇を受け入れるのか」という二者択一に陥りつつある。

REUTERSは「高市総理の過去の発言」が懸念材料であるとしている。それが「最終的に責任を取るのは政府である」という発言である。言葉通りに捉えると「最後は政府が責任を持つからやりたいことをやりなさい」という発言に見えるのだが、REUTERSはどうもそうは思っていないようだ。

ChatGPTの助けを借りて記事を要約すると

  • 利上げを容認すれば金利が上がりデフレに戻る可能性がある
  • 利上げを見送れば円安を通じてインフレが加速する可能性がある

ということになる。

高市総理の過去の発言は「どちらに転んでも政府が責任を取ります」という意味になる。しかしながら経済記者たちは「言葉では責任を取ると言っているが日銀は結局責任を問われるだろう」といっている。

仮に高市政権が「本当に現状を変えたい」と考えるならば、日銀を悪者にして当座の政治的危機を乗り越えるというシナリオも正当化されるかもしれない。

しかし仮に高市政権が責任回避のために日銀に責任をなすりつけることになると、表向きは身を切る改革を謳いながら結局は何も変わっていないのだというメッセージを送ることにもなりかねないだろう。

さらに高市政権は戦略的思考が苦手で「意図しないうちになにかのボタンを押してしまう」ことがある。戦略がないためにその後の回復プランがないことは台湾有事発言でも明らかだ。

現実にはここに無責任な野党の追求が乗ってくる。野党が間違ったボタンを押すと高市政権はより頑なになり「何も意思決定しなかったこと」を正当化し始める。

皮肉なことに「何も決めない」高市総理の姿勢は「変わりたくない」有権者と呼応することとなり高い支持率のままで不況に苦しめられるというシナリオも意識される。つまり最も厄介なのは変わりたくない有権者が二者択一状態を眼の前に思考停止に陥り高市政権をそのまま承認してしまうというリスクである。

これは最悪だと思うのだがChatGPTに言わせると負の選択均衡(adverse stable equilibriumであり「これまで日本の政治が何度も陥ってきた状況」なのだそうだ。

ChatGPTも「ああ言えばこう言うなあ」となんとなく呆れてしまった。

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