本稿では、主に三つの点について整理する。
第一に、イランとはどのような国家なのか。
第二に、なぜ現在イランが攻撃されたのか。
第三に、今後イラン・イスラエル・アメリカ合衆国はどのような状況に向かうのか、である。
主なポイントは次の通りである。
これまで
イランの官僚制度・統治制度は高度に発達している。これはペルシャ帝国以来の歴史的遺産によるものである。一方で、「イラン国民」としての一体性は必ずしも強くない。多民族国家であるだけでなく、ペルシャ系住民の内部にも大きな多様性が存在する。
ハメネイ師は、この複雑な国家構造を属人的に管理してきた。したがって、ハメネイ師が失われることで、統治の根幹が損なわれ、回復は容易ではなくなる可能性が高い。
今
今回のイラン攻撃は、ネタニヤフ首相とトランプ大統領の政治的延命が目的だった可能性がある。この過程で、ネタニヤフ首相は、実情と異なることを認識しつつも、トランプ大統領に「ベネズエラ型モデル」を提示したと考えられる。人心掌握に長けたネタニヤフ氏らしい手法とも言える。現在では、ハメネイ師を意図的に標的としていた可能性も明らかになりつつある。
これから
アメリカ合衆国は、今回の作戦に際し、国内外への十分な根回しを行っていなかった。作戦が短期で終結しなかった場合、ヨーロッパ諸国や湾岸諸国が積極的に協力する可能性は低い。さらに、アメリカ国内では、トランプ大統領の意思決定に対する疑問が次第に広がることが予想される。これが今回の軍事作戦が「ギャンブル」とされる所以である。

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