自民党で敗戦総括が進んでいる。当初は石破総理を縄で縛り付けて船と一緒に鎮める計画だったが世論調査で石破総理は辞める必要がないという結果が出たため急遽政治とカネの問題を記載するべく調整が始まったと共同通信が伝えている。結局「誰かのせい」にしないと収まらないというわけだ。
しかし自民党の既得権益層は表紙だけを爽やかなものに入れ替えて既得権にしがみつきたい考えのようだ。
立憲民主党のSNSの情報発信を強化するとしている。執行部に責任を問う声が出ているそうだが執行部は退陣には応じない考えだ。
しかしながら政治リテラシなしに政治に目覚めた人たちが解決可能な枠組みを事故選択するとは思えない。結果的に日本の政治は混乱するだろう。
当初、敗戦総括は石破総理と結びつけられるはずだった。森山幹事長は次期政権構想を持つ菅義偉氏の意向に従い維新の幹事長・選挙対策委員長らとの交渉を推進しているとされていた。この政権構想下での総理大臣は小泉進次郎氏になる。
ところが世論調査の結果は石破氏の続投を求めるもの。特に自民党支持者は強く石破総理の続投を求めている。一方で自民党支持を離れた保守の人たちは高市早苗氏を推しており「政党の無意味化」が進んでいる。
この動きを察知した森山幹事長は方針を変更した可能性がある。森山氏の目論見は既得権の維持にある。表紙が変わっても変わらなくてもその目的が達成できれば良いと考えているのだろう。
共同通信が「自民党は敗戦総括に政治とカネの問題を入れ込むのではないか」と伝えている。共同通信は本来は通信社だが独特の政治的ポジションを持っていて安倍派と安倍派の政治とカネの問題に批判的だ。
今回の共同の「独自」記事もも一種の政治的な動きを作り出そうとする取り組みである可能性がある。党内から反発があれば「そんな動きはなかった」として路線が修正されてしまうかもしれない。
総理大臣辞任を伝える号外がコレクターズアイテム級の誤報になってしまう世の中で素直に「独自」を信じるのは難しい。
森山幹事長が敗戦の責任を誰かに背負わせて「爽やかな表紙」に差し替えた上で既得権にしがみついていることは込め問題への対応を見ているとよく分かる。江藤拓氏が復権する。日経新聞の見出しは「小泉改革に警戒している」だった。
一方、立憲民主党では野田佳彦氏の責任を問う声が高まっているという。執行部が出した総括に物言いがつき執行部の責任をより強く滲ませた総括に差し替わった。執行部は入れ替えは想定していないとしている。
そんな立憲民主党はSNSの情報発信に力を入れたい考えのようだが、おそらくこれはうまくゆかないだろう。立憲民主党はSNS世論と真剣に対峙してこなかったためSNS世論の現状がわかっていない。
Quoraで先日「日本のメディアはすべて左翼に支配されている」とするコメントがついた。これを否定してしまうのはよくない。まずは「一体どういう意味なのか」を聞いてみるのが重要だ。否定してしまうと、彼らの主張がどの程度の根拠で成り立っているのかがわからなくなってしまう。
内容を聞いてみたがほぼ無内容だったがプロフィールを見て驚いた。
そもそも最初から新聞など読んだことがないという層の人達もかなり高齢化しており政治的なリテラシの組み立てがないままネットから情報を取る人が増えている。このため「合理的な説明」が意味をなさなくなっているが、普段からの接触なしに肌感覚でこれを掴むのは難しい。
参政党に投票した人たちのお気に入りメディアを調査した人がいる。接触メディアにかなりの偏りが見られるようだ。現役世代の不満を背景にした言論がネット上に蔓延していることがわかる。
立憲民主党が彼らに対して丁寧な説明を試みたとしてもすでに強い思い込みに支配された人たちが「改宗」に応じるとは思えない。そもそも無党派の組織化などできないという前提を置くべきだとは思うのだが隣の芝生はどうしても青く見えてしまうのかもしれない。
既存政党はごまかしを「丁寧な説明」とうそぶいてきた。結果的に信じたいことだけを信じる人々が増えている。政党が割りを食うのは仕方ないと思うがまともな政治リテラシを持っている人まで巻き添えを食うことになり迷惑な話だと感じる