今週火曜日、トランプ大統領は一般教書演説を行う予定である。就任1年の節目にあたり、中間選挙を見据えた重要な時期とされるが、政権運営をめぐっては混乱が続いている。
報道を見る限り、アメリカ合衆国を中心に交通や貿易をめぐる不安定な状況が続きそうだ。3月19日には高市総理との首脳会談が予定されているが、そこで合意された内容についても、後に再検討される可能性が高いのではないか。
政権運営に影響を与えた要因の一つが、最高裁判所による関税措置の差し止め決定である。これにより、大統領が交渉手段としてきた関税政策の運用には制約が生じた。
Bloombergが伝えるように一部の専門家は、今後の貿易交渉が中国主導の形で進む可能性があるとみている。中国は今回の貿易問題を通じて市場拡大を進め、貿易黒字は過去最高水準に達したとされる。
ヨーロッパでは、いわゆるターンベリー合意の有効性を疑問視する声も出ている。ターンベリーは、トランプ大統領がスコットランドに所有するゴルフコースの所在地である。
国際貿易分野の関係者の間では、アメリカの通商行政全体が不透明な状態にあるとの指摘が続いている。政策決定の過程や方向性について、全体像を把握できていないとの声もある。
「米政府の通関行政は混乱を極めている」とランゲ氏は22日にSNSに投稿。「もはや誰も状況を理解できない。未解決の疑問ばかりが残り、EUや他の米国の貿易相手国にとって不確実性が増しているだけだ」と述べた。
欧州議会、米・EU通商協定の批准凍結も-トランプ関税「混乱極める」(Bloomberg)
航空分野にも影響が及んでいる。アメリカ国内の空港では、TSAによる保安検査体制をめぐり、優先通過制度の停止と再開が繰り返された。これは連邦政府の部分閉鎖と連動した動きと考えられる。
議会は現在、ワシントンD.C.を離れており、政府機能の全面再開に向けた協議は進展していない。政府職員の一部は、無給での勤務を余儀なくされる状態が続いている。
ABCが報じるイプソスの世論調査によれば、経済状況の悪化を実感している国民は増加傾向にある。半数近くが、現政権発足後に生活環境が悪化したと回答したとの報道もある。
大統領の支持率は低水準にとどまっている一方、野党への支持も限定的である。回答者の約3分の1が、与野党いずれにも支持を示していない。
共和党支持層の中では、依然として強固な支持基盤が存在するものの、政策運営に疑問を示す声も徐々に増えている。
こうした状況の背景として、アメリカ経済における階層分化の進行が指摘されている。所得水準の高い層とそれ以外の層との格差が拡大し、中間層の縮小が続いているとの分析もある。
製造業を含む多角的産業の縮小も、この構造変化に影響しているものとみられる。そのため、製造業回帰を掲げる政策方針自体は一定の評価をしてもよいだろう。
一方で、関税措置を強硬な交渉手段として用いたことについては、国際的な摩擦を拡大させたとの見方が根強い。報道からも同盟国の苛立ちが伝わってくる。
外交・安全保障面でも不透明感は続いている。イラン対応をめぐっては、政権内部においても方針が定まっていないとの指摘がある。側近の間では、今後の対応について明確な見通しが共有されていないとの声も聞かれる。「トランプ大統領も自分がどうするかが分かっていないのではないか」と指摘する高官の声も伝わっている。
“They have something for every scenario. One scenario takes out the ayatollah and his son and the mullahs,” the adviser said, referring to Supreme Leader Ali Khamenei and his son Mojtaba, who is seen as a potential successor. “What the president chooses no one knows. I don’t think he knows.”
Trump’s Iran options: “Token” nuclear enrichment to taking out Khamenei(Axios)
現時点の報道を見る限り、政権の政策運営が安定的な軌道に乗る兆候は限定的であるとの評価が多い。
当面、アメリカ合衆国を中心とした政治・経済・交通分野において、不確実性の高い状態が続く可能性が高いとみられている。おそらく高市総理もこの混乱した意思決定の影響を受けるだろう。だから、取り交わされた約束は後に覆る・あるいは再構成される可能性が高いのだ。

コメントを残す