俳優で映画監督のロブ・ライナー氏がなくなった。妻と一緒に倒れていたそうだ。息子が容疑者とされており逮捕されたという報道もある。
日本ではスタンド・バイ・ミーの監督と表現されていたが、俳優としても活躍していたそうである。
ただロブ・ライナー氏には「表の顔」と「裏」があった。表では政治的に「自由主義の理念」を支持しておりLGBTQの運動を支援していた。
しかしながら「理想に熱心」になるあまりにまわりの現実を軽視する傾向があったのかもしれない。実は息子が薬物中毒で苦しんでいた。
今回NBCに痛ましい一節がある。自分の息子と「学位証明書を壁に飾っている人たち」を比較し、「学位証明書を壁に飾っている人たちの言う事」を優先してしまったと言っているのだ。眼の前では息子が苦しんでいる。しかし彼は専門家のアドバイスを優先してしまった。そしてそれを映画の題材にし「ああそれは間違っていた」と理解したという内容。
“When Nick would tell us that it wasn’t working for him, we wouldn’t listen. We were desperate and because the people had diplomas on their wall, we listened to them when we should have been listening to our son,” Rob Reiner said.
Rob Reiner’s son Nick arrested and booked on suspicion of murder in parents’ deaths(NBC)
しかし冷静に考えてみれば「自分の息子をネタにしたのか」となってしまう。結果的に息子は容疑者になり取り調べを受けている。
さらに報道を見る限り「ハリウッドセレブ」の住宅らしいところに住んでいる可能性が高いように思える。プライバシーが保証されている恵まれた環境ではあるが、同時に家が密室になってしまう可能性がある。
つまり、意識が高く恵まれていたがゆえの悲劇であるという想像がついてしまう。家族の密室化を防ぐうえでは「適切なご近所(向こう三軒両隣)からの目」が必要だがそれが得られなかった可能性が高いということになる。代わりに彼が頼ったのが「学位があり意識が高い専門家」だったが、それは何の役にも立たなかった。
そんな彼を嘲笑している人物がいる。それがトランプ大統領だ。ロブ・ライナー氏は政治的スタンスから民主党系(つまり左派)政治家との関係が深い。今回もハリス前副大統領やニューサムカリフォルニア州知事、バス・ロスアンゼルス市長から弔問のコンメとが寄せられている。
一方でトランプ大統領は今回の事件を「ロブ・ライナーはトランプ錯乱症候群(Trump Derangement Syndrome)」で死んだとSNSで罵ったそうだ。この人はおそらくSNSの向こうにいる人の顔が見えていない。だから言って良いことと悪いことの区別がつかないのだろう。
「彼はドナルド・J・トランプ大統領への激しい執着によって人々を狂わせたことで知られており、その明白な被害妄想は新たな高みに達していた。トランプ政権があらゆる目標と偉業において期待を上回る成功を収め、かつてないアメリカ黄金時代を迎えている中でのことだ」とトランプ氏はさらに投稿。「ロブとミシェルが安らかに眠ることを願う」と続けた。
死去した映画監督をトランプ大統領が嘲笑、「重度の妄想癖」と投稿(Bloomberg)

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