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ロシアがトランプ大統領の和平案を黙認へ 帝国化する世界

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現在の世界は国連を中心とする主権国家体制を取っている。しかしながらこれが揺らぎそうな兆候がある。例えば中国が台湾は自分たちの勢力圏にあると主張しアメリカ合衆国がそれを黙認するという世界である。主権国家体制の終わりと新しい帝国化した世界が近づいているのかもしれない。

トランプ大統領が提案するガザ和平交渉に法的なバックアップが得られるかもしれない。トランプ大統領にとっては外向的勝利となる。ロシアは名目上はパレスチナ国家を守るために独自提案を出すが、アメリカの提出議案の審議には参加せず棄権するのではないかと言われているそうだ。

ロシアはウクライナ問題にアメリカ合衆国が介入することを恐れている。これを黙認して貰う代わりにガザには文句を言わないということなのだろう。つまりウクライナはロシアの勢力圏でありガザはアメリカの勢力圏だということになる。

これを展開すると例えばアメリカ合衆国は台湾に対する中国の介入を黙認するかもしれない。実際にトランプ大統領は高市総理に反発する中国について聞かれて、国名は名指ししないものの「多くの同盟国も友人とは言えない。中国以上に貿易でわれわれから利益を得てきた」と言っている。

これは国連に改革が行われることなく大国の既得権を温存したままで「お互いの勢力圏に干渉しない」という一種の帝国的世界が作られつつあることを意味している。つまり国連は新しい体制を受け入れつつあるわけだ。

これが、世界平和につながるのであれば新しい現実を受け入れるのも良いのかもしれない。しかしネタニヤフ首相は国内極右勢力の手前パレスチナ国家容認に反対し続けていて、国際部隊の展開には時間がかかるから創設時期を明言できないと受動的な抵抗を示してもいる。

トランプ大統領は自分が和平の枠組みを作ることができればそれで満足だ。つまり実際に和平が実現できなくても一向に構わないわけだ。

一方で「完全な帝国協定」が作られたわけでもない。トランプ大統領は現在ベネズエラに対して圧力をかけるために最新鋭空母をカリブ海に送っている。ベネズエラの緊張は高まっており国内に20万人の兵力を展開し最悪の場合にはゲリラ戦に備えるとも表明する。そんなベネズエラが頼ったのがロシアだ。事前に締結した協定に従ってベネズエラを防衛するとしている。

つまりは棲み分けが完全に作られているわけではなく一部では陣地争いも続いているということになる。