小川晶前橋市長の「不倫」問題に「進展」があった。リベラルが支持されない理由が詰まった弁明だった。特に「恋愛感情はない」は本当かもしれないと感じた。
小川晶前橋市長が改めて会見を開き以下のように述べた。
- ラブホテルを利用したのは事実。
- ただし恋愛感情はなく男女の関係もない。
- 相手が降格処分を受けたという報道があったが「相手が降格したいといったので」希望を叶えてやっただけ。市の制度を利用したから手続きの上でも問題なし。
- 責任はすべて私にある(が責任は取らないで周りと相談する)。
色々問題がある発言のオンパレードだ。相手はSNSは(X)ですでに身元が特定されており「市議会の追求には耐えられなかっただろうなあ」と言う気がする。ただ市長とは極めて近い関係にある人物。政治的配慮を優先する地上波テレビでは報道されないため、一切の弁明は許されず「自主的に」雲隠れするしかない。本人も家族もひたすら叩かれるしかない残酷な状況だ。
また週刊誌によると市長は謝罪したいが家族とは連絡が取れていないという。相手には弁護士がついているそうだ。また「相手のご家庭が騒ぎを大きくしたくない」からとあたかも相手のプライバシーに配慮する体裁で物事の沈静化を図っているのもこの手の問題ではよく見られる構図である。すべての責任は私にあるといいながら実質何も責任を取らず立場が弱いものが泣き寝入りするというのはもはや見慣れた光景だ。
SNS(X)の反応を見ると、小川市長ばかりが叩かれているが男性の側にも責任はなかったのかという声が多く見られる。
- 保守王国群馬にやっとのことで開けた「風穴」を守りたい政治的な投稿
- これまで女性が抑圧されてきたと考える「リベラル」な人たちが被害者意識をつのらせて小川市長を支援している投稿
- 他の人の投稿を見て影響された投稿
などが同じバスケットの中に入り混じっているのではないかと思う。最近リベラル運動は低調なので「やっと得た成果を手放したくない」という人も多いだろうし。男性社会に被害者意識を感じている人も多いかもしれない。
このなかで唯一「小川さんが本当の事を言っているかもしれない」と感じた発言がある。それが恋愛感情はないである。
ポスト・セブンの記事によると「《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 」だったそうである。記事は「女を武器にしている」というコメントを紹介しているが無自覚だった可能性はある。
これを延長すると恋愛感情がなくてもラブホテルに行ってもいいじゃないという「進んだ」考え方を持っていた可能性はあるし、相談と「その先の行為」に境目がなかったかもしれない。
「一部では“魔性の女”なんていわれてますが、賑やかなのは選挙中だけで市長って孤独なんです。政治の世界はまだまだ男性優位ですし、議会で行き詰まることも多かった。市政について相談できる相手も、政治家として“弱み”を見せられる相手も限られる中、抱え込んだ胸の内を共有するうちに、距離が近くなりすぎてしまうのかもしれません」
《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 (NEWS ポストセブン)
一部「職務と個人的な恋愛は関係ないのではないか」という声もあるだろうがこれに反論するのは意外と簡単だ。
- 日本は男性優位の社会に「恋愛体質」の女性が入り込むと組織内秩序が乱される可能性が高い。これは「サークルクラッシャー」「職場クラッシャー」などと呼ばれ昔から問題視されてきた。
- そもそも「進歩的すぎる女性」を一般の市民感覚を持っていた人が理解できるとは到底思えない。
ただ、結果的にこの問題は「法律的にはなんの問題もなく、うっかり手を出してしまった(あるいは断りきれなかった)男性側にも問題はある」ということになり、それはそれで小川晶市長の職務続行をバックアップする材料になる。ただし「進歩的すぎる女性を高い地位につかせると行政組織が混乱する原因になる」という前例にもなった。
個人的には「改革は必要なんだろうがもっと穏健に組織的にやってくれる人がいいのではないか」と思うが、後はこれを前橋市民がどう受け止めるかだろう。市の行政機構がめちゃくちゃになってもとにかく「改革」を進めたいというイデオロギーの人が多いのならば別に小川さんのままでも構わない。それはそれで民主主義の選択である。
