9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


マスコミ完全擁護体制にもかかわらず小泉進次郎陣営が失速傾向

10〜15分

イイネと思ったら、Xでこの投稿をシェアしてください

田崎史郎氏などのマスメディアはかなり露骨に小泉進次郎推しを進めているようにみえる。しなしながら小泉進次郎氏の答弁にはあやふやさが目立ち党員・党友票では高市早苗氏に逆転を許した。そもそも「マスメディアが小泉さんを推しているのに」失速したのか「小泉さんを推しているから」失速したのかがわからなくなりつつある。

2つのエコー装置

そもそもネットはエコーチェンバー

言うまでもないことだがそもそもネットはエコーチェンバーだ。Quoraで「保守」批判の回答を書くと「現実を見ろ」とわざわざコメントを寄せてくる人がいる。中には「ネットも私の周りもすべて参政党や高市早苗氏を推している」と書いてきた人もいた。つまり、ネットで情報を取っている人たちはすでにエコーチェンバーに囚われている。

自覚なきエコーチェンバーにとらわれるマスメディア

田崎史郎氏の小泉進次郎推しはかなり露骨だ。しかしおそらく田崎さんにはその自覚はないだろう。

田崎氏やマスコミは総裁選の行方を決めるのは長老の意向であるという前提を置いている。そして麻生太郎氏が小泉進次郎氏を見直したと喧伝し、石破さんを説得したのは小泉氏であると宣伝した。さらに岸田文雄氏も「気持ちの上では小泉支持だろう」とも喧伝している。仕込みの女王こと牧島かれん氏(小泉陣営の広報担当者を「更迭された」そうだ)はこれをニコニコ動画で拡散するように支持者に呼びかけている。

ではなぜ田崎史郎さんには自覚がないのか。

田崎さんは政治報道の流れを作りたいという気持ちはありつつ「政治記者たるもの取材が重要だ」というプロ政治記者としての矜持も持っている。このジレンマは政治記者なら誰でも持っていることだろう。

ところが実際に彼が取材している取材源はメディアに「汚染」されている。派閥がなくなったことでメディアの影響を受けやすくなっているということを取材者側が失念している。派閥がなくなったため議員たちはメディアの影響を受けやすくなっており、選挙を意識している衆議院を中心に「汚染」が広がっている。

結果的にこれがエコーチェンバーを作り出しているのだ。

ただし結果的には麻生太郎氏や岸田文雄氏などの長老が推したから小泉進次郎氏が選ばれたというストーリーが成就する可能性が高い。

議員票は小泉進次郎氏リードだが党員・党友は高市早苗氏に流れる

議員票では小泉進次郎氏がリードしている。高市早苗氏は林芳正氏に続く3番手。政調会長時代に派閥の言う事を聞かず「私が政調会長だ」と突っぱねたという話もあるため世論の圧倒的な支持がなければ浮かび上がることはないだろう。

しかしながら党員・党友票では高市氏が小泉氏を上回っているという。

背景にある要因は2つ。

一つは前回の失速を懸念した周囲が原稿を練り上げているという点にある。日本記者クラブの論戦において橋本五郎氏は「いつも紙を読んでいますね」と質問。小泉氏が反駁してくれることを期待した「親心」質問だった可能性もあるが小泉氏はあっさりと認めてしまった。さらにパレスチナ問題では「外務省からブリーフィングを受けていないからよくわからない」と発言した。総理大臣がこんなことを言えば大変なことになるだろう。

さらに、マスメディアが必要以上に小泉氏を盛り上げてしまったためハードルが上がったのは確か。小林鷹之氏は若手チャレンジャーのポジションをキープしているがメディアが祭り上げてしまった小泉陣営にはこの戦略が使えない。

結果的に「持ち上げた分だけ下がる」という現象が生まれている。つまりメディアが持ち上げすぎたせいで小泉進次郎氏が持ち味を発揮できなくなっているという側面がある。そして党員・党友は冷静にこれを見ている。

冷淡な他人の増加とその危険性

中盤の情勢を見る限り、高市早苗氏が党員・党友で追い上げるもののこのままマスコミに持ち上げられた小泉進次郎氏が議員票を固めて逃げ切る可能性が高い。

マスメディアは自作自演ながらその意識はなく自民党内の世論を敏感に感じ取り「小泉優勢」を伝えている。勝ち馬に乗りたい人が多いと考えると「ここはとりあえず血統もよい勝てそうな馬」の馬券を勝っておくのが懸命だろう。

しかしその周りには政治を「タニンゴト」と感じる部外者がいる。

政治情報について日々まとめているので「当ブログは日本の政治に当事者として関わる気になれない」と言い切っても特に批判はされないと思うのだが、普通の人は社会でそんなことは言えないのではないか。大人だったらセージに関心を持つべきだと説教したがる大人は多い。

冷淡な他人から明確な部外者へ

ただしこの「冷淡な他人」が「明確な部外者」になると何が起きるのかということは改めて意識したほうがいいだろう。すでに日本政治はキャンセル型になりつつある。主語を自民党にするべきなのか与野党にするべきなのかは迷うところだが協力はしないが嫌なことがあればネットで騒ぎ立てて中止に追い込む動きがすでに置きている。

  • 既存政治は事実の積み重ねからストーリーを作る
  • ネットはその逆で心情をもとに事実を選択しストーリーを作る

という大きな違いがあるが「冷淡な他人」が増えれば増えるほどネット型の事実構成が本流になってしまう。

そして眼の前の「事実」が自分の「事実」と異なることにいらだちを感じるのだ。この数十年の間、政治報道は冷淡な他人を増やし続けてきたが、SNSの登場で彼らが明確な部外者予備軍は増えているのではないだろうか。