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ホルムズ海峡に自衛隊派遣要請で、高市総理が「存立危機事態」

12〜18分

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ホルムズ海峡に自衛隊の派遣要請が行われる可能性が出てきた。これは高市総理にとって政治的手腕が試される「存立危機事態」だ。

高市総理の政治戦略は「フォロワー思考」だが、このフォロワー思考は危機に陥ると「是が非でも何かを差し出さなければ」と思い込む危険性が高い。

今回の総理官邸のミッションは、この危機をいかにして回避するかだろう。自民党の内外では「協力しないための証拠づくり」が進んでいる。

予算の衆議院通過を前に、高市総理が体調を崩した。東京新聞によると、完璧主義者であるため夜遅くまで資料を自ら読み込み、体力を削られた可能性が高いという。もともと自ら決断した総選挙がきっかけで予算審議時間が削られているため、「失敗を取り戻そう」としているのかもしれない。

そもそも、何のために資料を読み込むのか。可能性は2つある。立体的な理解力を高めるためか、それとも「立体的な理解力がないため、ありとあらゆる正解を暗記して不確定な状況に備えるため」かだろう。高市総理の場合、それが前者であることを望みたいが、確証は得られない。仮に後者だった場合、不確定要素が増えれば増えるほど「暗記量が増え、睡眠時間が削られる」ことになる。

野党はそんな高市総理の性格を見抜き、仮にトランプ大統領に対して自衛隊派遣を約束したとしても、あとで「事前の国会答弁と違う」と言質を取る作戦に出た。各種世論調査ではイランとの戦争に賛成する人はほとんどいないことが分かっており、世論を味方につけて有利な国会運営ができるようになる。

このやり方には2つの懸念がある。

1つは、高市総理がトランプ対応と同時に国会対応の「同時暗記」を始め、さらに睡眠時間が削られる懸念である。本番のテスト(=トランプ大統領との会談)は、さらに朦朧とした頭でこなさざるを得ないかもしれない。

もう1つは、高市総理が「自衛隊は派遣できないから、代わりに何かを差し出さなければ」と強く思い込んでしまう自己催眠の可能性だ。そもそも今回の戦争はアメリカ合衆国(厳密に言えばトランプ大統領)が直感的に始め、足が抜けなくなっている戦争であり、日本に協力義務があるわけではない。しかし、他人の言うことを聞かず、思い込みによって突っ走る傾向が強い高市総理は「何としてでもトランプ大統領の機嫌を損ねないようにしなければ」と、次第に追い詰められてしまうかもしれない。

国会では「日本には必ずしもトランプの戦争に協力する必要はない」とういう言質も必要になりそうだ。

安倍総理に寄り添う姿勢を見せていた高市早苗氏だが、安倍総理亡き後は麻生太郎氏の後見も頼りにしてきた。しかし総理大臣になると「これからはトランプ氏だ」とばかりに頭を切り替え、麻生外しを画策し、麻生氏を衆議院議長に祭り上げようとした。麻生太郎氏が今何を考えているのかはよく分からないが、茂木外務大臣と玉木雄一郎氏との間にパイプがある。

玉木雄一郎氏は宏池会中興の祖である大平正芳氏の後継者的存在であり、「大宏池会構想」を掲げていた麻生太郎氏が常々自民党に取り込もうとしていた可能性が高い。同じ宏池会系の岸田文雄氏も玉木雄一郎氏を将来の総理大臣候補だと持ち上げた経緯がある。

そんな玉木雄一郎氏は、もともと予算案に賛成する可能性を示唆していたが、「審議を月曜日に回さなかったから支援できない」と距離を取り始めている。その時に内幕をあっさりと暴露してしまった。仮に麻生太郎氏が裏にいたならば、こんなあけすけなことは言わなかっただろう。

複数の関係者によりますと、国民民主党の榛葉幹事長が自民党に対して予算委員会での採決を今月16日に遅らせるなら予算案に賛成する意向を伝えるなど、水面下の協議が続いていましたが、不調に終わったということです。

国民・玉木代表 新年度予算案に反対表明(TBS)

また茂木敏充外務大臣は、小泉進次郎防衛大臣の「フライング」に立腹している。自衛隊派遣は外務大臣が要請することになっているが、小泉進次郎氏は要請前に「検討を始めた」と表明してしまったのだ。完璧主義で能力が高いとされる茂木敏充外務大臣は、おそらく高市総理と高市政権の「要領の悪さ」にかなり苛立っているのではないか。

「小泉氏は茂木氏から要請を受ける前日に〈自衛隊機の派遣準備に着手しました〉と投稿していますが、これは自衛隊法の規定に抵触する恐れがあります。小泉氏は、自衛隊が邦人救出に動いているとアピールしたかっただけなのかもしれませんが、少々焦り過ぎた。茂木氏は自分の頭越しに自衛隊機を出そうとした小泉氏に怒り心頭に発しています。木原官房長官も看過できないとして、小泉氏に厳重注意を行っています」

小泉進次郎氏の“暴走”に茂木外相が激怒! イラン攻撃で「自衛隊機の派遣準備に着手」と投稿 「自衛隊法の規定に抵触する恐れも」(デイリー新潮)

石破茂氏も「まずアメリカ合衆国に、今回の戦争は合法なのかと問いただすべきだ」と主張する。つまり合法であるという言質が得られなかった場合、「自民党も高市総理に従う必要はない」という理屈になる。

石破氏は、「アメリカから合法だということをきちんと説明してもらわないと、日本の有権者に対しても説明できない」と指摘しました。

石破前首相が高市首相に“注文” イラン攻撃「日米会談で合法性の確認を」(FNN)

石破茂氏の発言はトランプ政権の内情をよく踏まえている。つまりトランプ政権は広報的に失敗しており「今回の戦争の合法性」が説明できそうにない。つまり石破茂氏は「高市氏が説明を受けられない」と分かって発言している。

仮に寝不足の高市総理がトランプ大統領と何らかの「重い約束」をして帰ってきたとしても、自民党は「それは高市氏が勝手にトランプ氏と約束しただけである」として、問題を自民党から切り離す可能性がそれなりにある。つまり高市総理の立場は、かなり危うい状況になっている。

それを防ぐためには、まず高市総理に冷静さを取り戻してもらう必要がある。そのために周囲のスタッフが言えることは、「総理、まず寝ましょう」と進言することだろう。

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