日本のメディアによるとロシアのプーチン大統領は経済的に孤立。ウクライナの戦線を維持することはできないことになっていた。また北朝鮮も同様。人民は疲弊し体制崩壊は間近のはず。
だがそんな事は起きていない。9月3日の対日戦勝パレードに三者会談が行われる可能性が出てきた。少なくとも軍事パレードでは一同に介することが決まったようだ。
BBCが連日中国関連の記事を出している。9月3日に対日戦勝の軍事パレードが行われる。中国共産党は対日戦争の主役は共産党であると喧伝しているが今年は戦後80年にあたり特に念入りな宣伝活動が行われる。
奇しくもこの特別な年に彩りを添えてくれたのがトランプ大統領である。トランプ大統領に対して「中国、北朝鮮、ロシアは孤立していない」というメッセージを送るために会談を行う可能性がある。
トランプ大統領は自分は外交の天才であると信じている。KGB出身のプーチン大統領にとって懐柔が簡単な相手だ。時間稼ぎに成功したプーチン大統領はこの機会を利用して国際社会への復帰をはたそうとしている。
日本では石破総理が戦後80年の「お気持ち」を発出する可能性があった。あくまでも結果論かもしれないがこれが出ないのは不幸中の幸いだったかもしれない。
ウシャコフ氏は、ロ朝首脳が出席する9月3日の北京での「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念軍事パレードに言及。中国側から提供された情報として「中国の習近平国家主席から見て右手にプーチン氏が座り、左手に正恩氏が座ることになる」と席順を説明した。
訪中時のロ朝首脳会談検討 軍事パレードで3指導者並ぶ―プーチン氏補佐官(時事通信)
ドイツの大統領は過去と向き合うものは未来を諦めないと語った。確かに80年前はファシスト国家だったが今ではロシアこそがファシストであるといっている。
一方でロシアはファシズムから国を守るためにウクライナで戦っているという建前になっている。石破総理がファシズムからの超克を訴えないままで安易に反省だけ表明してしまうと中国共産党の正当性とウクライナの戦争の正当性を補強することになってしまう。日本はアメリカ陣営であり過去のファシズムを認めたものの学ばない国家だということになってしまうのだ。
自由主義陣営の期待とは裏腹に現在北朝鮮は特需に沸いている。ロシアに兵士を差し出す見返りに経済援助を受けており10年ぶりに高いGDP成長を達成したそうだ。日本のテレビ局の一部もこれを伝えているがあまり広く浸透していない。核兵器という決して許されない行動を選択した国家が成功することなど認められないという気持ちがあるのだろう。
今回の軍事パレードにはインドネシアの大統領とマレーシアの首相が招かれている。インドネシアの経済は不調。その理由は一部政治に起因する複合的なものだ。現在インドネシアでは抗議デモが起きており死者も出ている。ただ、失敗を認めたくないプラボウォ大統領がトランプ関税に原因を求める可能性もある。
インドも国境問題の解決のために王毅外務大臣と会談し日本にも接近している。
このようにトランプ大統領の場当たり的な外交政策はトランプ被害者の会を生み出している。トランプ被害者の会が期待するのが中国の外交的リーダーシップであり中国はその機会を最大限に活かしている。
何度も繰り返しになるようで恐縮なのだが自民党はこの動きをコントロールする新しいルールを提案することができないばかりか急すぎる動きにキャッチアップすらできておらず「選挙で負けたのは誰のせいなんだ?」と内輪で言い争っている。どうぞお好きなだけ時間をかけてくださいと言って差し上げたいがだったら下野してから思う存分やってほしい。今の日本に内向きの少数政権与党を抱える余裕などない。
