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トランプ大統領は日本に来るかどうかがよくわからなくなった

5〜8分

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日本の政局はトランプ大統領が来日するまでに総理大臣を決めなければならないという前提で動いている。つまりトランプ大統領が来日しないとわかった時点で「石破総理のままでもいいんじゃないか」という事になりかねない。総理・総裁分離論が広がりかねない。そんななか、実際にトランプ大統領が来日するのかがよくわからなくなってきた。外務省はドタキャン覚悟で調整を続けているようだ。

背景は2つある。習近平国家主席にはトランプ大統領と話し合う気がないようだ。レアアースの輸出規制など態度を硬化させていた。一方で対ハマスの人質交渉はうまくゆきトランプ大統領はエジプトで首脳会談を行い成果を強調する。

トランプ大統領の政治目的は記者会見で称賛を浴びることなので当然中国に対する優先順位は下がる。ベッセント財務長官はまだ米中協議に期待しているようだがトランプ大統領は韓国は訪れるもののAPEC首脳会談には出ない可能性が出てきたと韓国が発表している。

米中対立を受けて株価が下落していたこともあり、トランプ大統領はSNSで「中国とはうまく行っているから心配するな」とのメッセージを発出した。これを受けて週明けのニューヨークの株価は持ち直した。

こうなるとトランプ大統領が日本を訪れるかが問題になる。トランプ大統領が日本を訪れる目的はロイヤルなおもてなしを受けることと習近平国家主席との会談のために日本の協力を引き出すことだった。対中会談がなくなればそもそも日本を訪れる意味はなくなる。

トランプ氏は中国がレアアース(希土類)の輸出規制の対象を大幅に拡大したことに反発し、APECに合わせて予定する習近平国家主席との首脳会談を中止する可能性も示唆した。日米外交筋は「このタイミングでアジア訪問する動機はなくなってきた」と指摘する。

トランプ氏訪日への影響懸念 政府閉鎖、政局混沌―日米(時事通信)

そもそも新総理のお披露目もできない可能性がある。

さらに日本では公明が26年間に及ぶ自民党との協力解消を表明した。トランプ氏は自民の高市早苗総裁と会談する段取りを描いていたが、高市氏が首相に選出されるかどうかが不透明なのも懸念材料だ。

トランプ氏訪日への影響懸念 政府閉鎖、政局混沌―日米(時事通信)

外務省はドタキャン覚悟で準備を進めているとのことだ。

米国務省関係者によると、トランプ氏は訪日の意向を持っており、ホワイトハウスでアジア歴訪に向けた議論が行われている。日本の政府関係者は「粛々と準備を進めるしかない」と語った。

トランプ氏訪日への影響懸念 政府閉鎖、政局混沌―日米(時事通信)

現在日本の政治はトランプ大統領の訪日に合わせて新しい総理を決めておかなければ格好がつかないとの理由から政局が活発化している。おそらく「政治空白を埋めて国民生活を早急になんとかすべきだ」などと考えている人は誰もいないのだろう。と同時に日米同盟はアメリカの単なる対中カードの1つに過ぎないということもよく分かる。

改めて「ガイアツ」だけが日本を動かすんだなと実感させられた。