9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方

トランプ大統領が一般教書演説を行った。前半は台本に沿ったものだったが、後半は次第に脱線が目立ち、意味不明な発言も多かったようだ。しかし総合的には、ホワイトハウスが危機管理に成功したと言ってよい。

トランプ大統領の不規則な発言は広く知られている。会議を主催しているときに新しい舞踏場の話題となり、思わず立ち上がって、何もないところに「私は素晴らしい建物が見えるぞ」などと発言したこともあったようだ。このときに「変なタイミングだが」と言っている。つまり本人も適切でないとわかっているが衝動が抑えきれていないのである。これがトランプ大統領の日常だが誰も王様は裸だとは言わない。

ロイター・イプソス調査が「高齢化による不安定化」の世論調査を発表した後で、それを裏付けるような言動があれば、おそらく大問題となっていただろう。しかし前半1時間近くは台本通りに進行し、最高裁判所判事を口汚く罵ることもなかった。

もちろん問題が何もなかったわけではない。APとABCニュースのファクトチェックを読んだ。

APは、トランプ大統領が薬価引き下げを「300, 400, 500, 600% and more」と表現したと指摘している。100%以上の引き下げは返金を意味する。事実誤認というよりは、算数の知識不足だ。また、アメリカで革命が始まったのは独立宣言が出される1年前だったため、「1776年に蜂起が始まった」という発言も厳密には正しくないとしている。おそらくトランプ大統領は、歴史やアメリカ合衆国にはさほど興味がないのだろうと思わせる。

ABCニュースは「虚偽の主張」よりも「根拠不足」を挙げている。だいたいにおいて、数字を盛っているか、具体的な政策立案・実行プロセスを誰かに丸投げしていることが多い。とにかく数字を大きく見せたいので、100%の薬価引き下げ(これはつまり無料で薬を配布することになる)を「300, 400, 500, 600% and more」などと言ってしまう。

Fact-checking Trump’s State of the Union address(ABC News)

しかしながら、そもそもこの手の間違いは想定内であって、「失態」にはならない。トランプ大統領の支持率は最低ラインにあり、共和党支持者の離反も現実のものとなりつつあるが、かといって民主党に対する支持が上がっているという兆候もない。

結果的に、一般教書演説というイベントは「概ね無事」に通過したと言ってよさそうだ。

脱線ぶりはいつものとおりだったが、1時間45分の長丁場を機嫌よく乗り切り「お元気そうでなにより」という演説だった。

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