トランプ大統領が新しいヘルスケアプランを提案した。しかしその内容が紙ペラ1枚だったことに衝撃が広がっている。
トランプ大統領はこのところ徐々に軌道修正を行っている。経済問題は徐々に準富裕層に及び始めており足元の情勢調査が悪化を続けており選挙に悪影響が避けられないことが明らかになったためだ。
バマケアの支援が打ち切られ2000万人の医療保険が平均2倍位上に跳ね上がった問題は深刻なインパクトを与えているようだ。トランプ政権は何もやっていないと批判されることを避けるためにプランを出したが、その内容が1枚しかなかったことで驚きが広がっているのである。
そもそもアメリカ合衆国の医療制度は市場主義によって成り立っているため費用が上がりやすい特徴がある。結果的に市場主義について行けない人たちが医療保険制度から排除されている。つまり国民が満足できる医療保険制度を導入するためにはまず医療制度を「脱市場化」しなければならない。
しかしアメリカの市場主義はもはやイデオロギーを超えて「宗教」の領域に入っておりこれに手を付けることは政治的なタブーとみなされている。政権はエスタブリッシュメントを遠ざけた。結果的に誰も制度が作れない。だからトランプ大統領は骨子だけを提案し議会に作業を丸投げした。しかもその内容は保険会社がそれぞれ説明すればいいといういい加減なものだった。そもそも理解も調整能力を失っている。だから満足な制度は作られないだろう。
こうした行き詰まりは経済政策にも現れている。世論調査では徐々に経済的不満が高まりつつあるそうだ。
経済政策の不信をパウエル議長にぶつけようとしたものの市場関係者・議会関係者はパウエル議長を支援した。ベッセント財務長官が内密に異議申立を行った結果、だったら直接金利を下げればいいんじゃないかとしてクレジットカードの提案に踏み切っている。潜在的なサブプライム層のクレジットカードへのアクセスを難しくするだろうと言われている。
結局、市場主義は勝者をより豊かにするだけに終わる可能性が高い。しかしアメリカ人はアメリカンドリームを諦められない。
人々の不満をすくい取るために「いじめ」が選択されている。これは問題解決を諦めた民主主義の冷酷な選択だ。
ミシガン州ではICEエージェントと地元住民の間で緊張が高まっている。合法か違法かと言われると「合法的」に行われているのだが、有色人種の多い地域に出向き有色人種を手当たり次第に尋問するという「合法的差別」が横行している。中には自分の生まれた国でなぜIDカードが必要なのかと反発する人も出てきた。
しかしこうした合法的・選択的差別はアメリカの一般市民に問題視されてこなかった。
これが変わるきっかけになったのが37歳で3人の子供の母親の死である。反対票の増加はこの女性が白人だったことが影響しているのだろう。徐々にICEエージェントはやりすぎなのではないかという空気が高まった。選挙に悪影響が出ることを恐れたトランプ政権はICEの縮小を検討しているのではないかとAxiosは伝えている。つまり普通のアメリカ人にとっては有色人種に対する差別的待遇など「所詮は他人事」だったということになる。
ベネズエラの指導者マチャド氏はそんなトランプ大統領に自分が獲得したノーベル平和賞のメダルをプレゼントしたそうだ。野党の党首としてベネズエラ政界に復帰したいマチャド氏にとっては安い取引なのだろうが、トランプ大統領は大喜びでマチャド氏を褒め称えた。ノーベル平和賞の意義について考えさせられるエピソードだ。まさか選考委員会はノーベル平和賞が「政治的取引材料」として他人に譲渡されるなど考えも及ばなかったのではないか。

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