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トランプ大統領の戦争は「内戦」だった

5〜7分

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トランプ大統領がSNSにポエムを残した。「戦争省と言われる理由を知ることになる」としている。普通大統領が戦争を仕掛けるとしたらそれは外国なのだが、主語がシカゴになっている。シカゴはイリノイ州にありアメリカ合衆国を構成する州の一つである。

CNNで記事を読みこのやり取りを知った。意味不明のSNS投稿について触れられており「きっと切り取られたのだろう」と考えた。

だが記事に出ているプリツカー州知事のXの投稿を見て」これが切り取りではないということがわかった。プリツカーイリノイ州知事は「トランプ大統領はアメリカ合衆国の都市に戦争を仕掛けている」と書いている。そのうえでこれは冗談でもないし普通でもないとしている。最後にトランプ大統領は強い人間ではなく弱虫だとしたうえで、この独裁者ワナビーに屈することはないと締めくくられている。

おそらくAIと見られるトランプ大統領の写真の意図は不明。Quoraの詳しい人の解説によると映画「地獄の黙示録」のキルゴア中佐を真似ているものだそうだ。セリフもこのキルゴア中佐のセリフを真似たもの。帽子はアメリカ陸軍騎兵隊の帽子だそうだ。ChatGPTで調べたところ南北戦争(アメリカ最大級の内戦)に起源がある。コッポラ監督がこれを持ち込んだのはアメリカ人が持っている戦争に対するロマンティシズムと現実の戦争の落差を語るためだそうだ。トランプ大統領はこの含意がわからずロマンティシズムに傾倒しているということがわかる。あるいはアメリカが戦っていたベトコンと民主党を同一視していることがわかる。「普通のアメリカ人」が持っている戦争の感覚は内戦と対外戦争を区別していないということがわかる。

カリフォルニア州のニューサム知事もこの投稿を批判し、トランプ政権は兵士を政治的なコマとして使っているとしたうえで「無感覚になるな」と警告している。

もう一つ今回の件からわかるのはアメリカ合衆国では戦争という言葉が極めて気軽に使われているという点である。ニューサム知事の「無感覚になるな」という発言は裏を返せばこの手の激しい言動が今や普通のものになっているということがわかる。

トランプ大統領はノーベル平和賞を熱望していると言われている。海外での戦争を力で封じ込めれば和平が実現しノーベル平和賞が取れると考えているようだ。ただしこれまでの戦争のトラウマから海外への地上部隊派兵には後ろ向きだ。しかしながら武装されていない民主党州であれば軍人の犠牲なしに容易に制圧できると考えているのだろう。