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トランプ大統領に2つの試練 エプスタインファイルと健康問題

6〜10分

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議会で大型予算案をまとめて政治的に勝利したトランプ大統領。ここに来て2つの問題に悩まされている。どちらもトランプ大統領のイメージ悪化に直結する重大な問題だ。

とにかく難しいことは考えなくてもいい。すべてトランプ大統領にお任せしておけば悪いようにならない。MAGA運動はアメリカ版の「自由からの逃走」といえる。ところがトランプ大統領は実は中間所得者のことなど考えていなかったという証拠が次々と露呈している。

イスラエル軍はガザ地区の人々を保護する組織を次々と破壊しており、ついにガザ地区にあるカトリック教会を破壊した。これはMAGAの中にいる親イスラエルとキリスト教の反目を招きかねない。そこでネタニヤフ首相は直ちにアメリカ合衆国に対して「間違いだった」と謝罪している。謝罪はしているがおそらく攻撃はやめないだろう。

ウォール・ストリート・ジャーナルがエプスタイン氏に対するトランプ氏の手紙についての独自記事を発表した。当時のニューヨークの社交界の堕落・退廃ぶりを示すものだ。トランプ氏は裸の女性の絵と署名が入った手紙を送ったとされている。

エプスタイン氏が捕まるとトランプ氏は「エプスタイン氏は民主党指導者とつながりがあった」と盛んに主張した。つまり自分は薄汚れた関係とは無縁であると強調したのである。だが政権を掌握すると今度は一転して「そんな文書は出てこなかった」と主張を変えている。

仮にエプスタインファイルが存在すればその中にはトランプ氏だけでなく同盟者とエプスタイン氏の不適切な関係が多数含まれているはずだ。これは薄汚れた金持ちたちを嫌悪しつつトランプ氏を支持してきた支持者にとって重大な裏切りとなる。

CNNを始めトランプ大統領と対立するメディアは盛んにこの問題を追いかけており「トランプ大統領の本性」を証明しようとしている。またトランプ大統領に対抗する政党を作りたいイーロン・マスク氏もこの問題に参戦した。

アメリカを離れて日本からトランプ大統領を見ているととても庶民の味方とは思えない。しかしアメリカ合衆国にはトランプ大統領こそが自分たちの味方だと信じている人が大勢いる。彼は力強い大統領であり自分たちの救済者だと思いたい。

そんなトランプ大統領もよる年波には勝てなかった。足はむくみ靴がまともに履けない状態だった。また手にあざができており容易に消せなかった。トランプ大統領はこれを雑なメークアップで誤魔化そうとして却ってネットを刺激してしまった。

あくまでもイメージを重視するトランプ大統領は「見た目を取り繕うこと」でなんとか誤魔化そうとしてきたがついに隠しきれなくなる。「高齢者によくある慢性静脈不全と健康維持のために飲んでいるアスピリンの軽微な副作用である」と発表せざるを得なくなった。

彼は神に選ばれた英雄ではない。腐敗した金持ちの一人であり今や立派な高齢者だ。

エプスタイン氏とトランプ氏の関係はトランプ氏がどこから来た人間かをよく示している。このコミュニティから自分を切り離し攻撃を加えることで事実とは異なるイメージを振りまいてきたが、その戦略にもほころびが見え始めているようだ。

それでもまだトランプ大統領を信じたいと言う人は大勢いる。自由からの逃走を選択してしまった以上は「それが正しい判断だった」と信じ続けるしかない。人は悲しい生き物だ。

トランプ大統領もイメージを守るために戦い続けるしかない。むくんだ足でタイトなロープの上を一歩一歩前進しておりウォール・ストリート・ジャーナルを訴えるぞと脅している。

Trump threatens to sue WSJ for story alleging racy letter to Epstein(Axios)

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