CNNが興味深い記事を出している。トランプ大統領の政策は毛沢東の文化大革命に似ているというのだ。中国には熱心な毛沢東支持者も多くトランプ大統領に憧れる人もいるという。
確かに文化大革命は「反知性」革命だった。しかしトランプ大統領は中東歴訪を通じて一族の企業を優遇しており「中国とは全く事情が異なる」という印象もある。
トランプ大統領にとって文化破壊は単なる中流階級向けの「おもちゃ」にしか過ぎないのではないかと感じる。
- CNNが興味深い記事を出している。トランプ大統領の手法は文化大革命に似ているというのだ。反知性革命との共通点を見ているのだろう。トランプ大統領と毛沢東主席の「造反有理」に共通点を見る人もいるようである。
- トランプ大統領と文化大革命には共通点と違いがあるのではないか。
- 共通点:反知性革命
- 相違点:文化大革命は破壊が主役だったがトランプ大統領は不満を持った中流層の溜飲を下げさせるために文化戦争を利用しているに過ぎない。
- 中東歴訪を通じてトランプ大統領の家族が経営する企業には大きなビジネスチャンスが転がり込んでいる。トランプ大統領とバイデン大統領には違いがある。
- バイデン大統領はハンター・バイデン氏を通じてウクライナ利権を「密かに」追求しているという疑惑があった。
- 一方でトランプ大統領はアメリカに投資を呼び込むとしている。つまり中流層に「おこぼれ」を分配しているように見せることで私利私欲の追求を正当化している。
- 中東もこの辺の事情がよくわかっており様々な手段でトランプ大統領の心をガッチリと掴んだ。
- トランプ大統領のような成金が好みそうな豪華なもてなし。
- 航空機の大量購入。
- ファンドを通じた多額投資。
- もちろん中東への接近を好ましく思わない人もいる。
- 中東を通じて機密性が高い情報や製品が中国に流れてしまうのではないかという懸念。
- 中東がアメリカを敵対視するテロリストを支援しているのではないかという疑い。
- しかし豪華なもてなしに心をガッチリと掴まれたトランプ大統領は批判をさほど気にしていないようだ。
CNNが「世界と米国をひっくり返すトランプ大統領、毛沢東の亡霊と重ね合わせる中国人」という記事を出している。反知性的な革命に共通点を見出しているようだ。「造反有理」に共通点を見出す人や、外圧を利用して閉塞感のある現場二風穴が開くのではないかと考える人がいるようである。
丁さんはトランプ氏の中に、かつて若き紅衛兵として崇拝していた毛沢東との驚くべき類似性を見いだした。両者には大きな違いがあるにもかかわらず、知識人エリートに対する深い軽蔑と官僚機構への根深い不信感、そして、農民やブルーカラーの労働者に向けた大衆的な訴えかけを共有している。
世界と米国をひっくり返すトランプ大統領、毛沢東の亡霊と重ね合わせる中国人(CNN)
関税戦争でトランプ大統領を敵対視している人が多いと思っていただけに少し意外な気がした。
CNNは社会体制が違うため中国のような急進的な動きは起きないだろうと見ているようだが個人的には別のところに違いを感じた。
毛沢東の文化大革命は権力闘争から生まれた動きだったがやがて反知性革命が「本質」になった。つまり本物の破壊活動に発展した。しかしながらトランプ政権下における破壊活動は不満を持った中流層の溜飲を下げさせるための手段に過ぎない。
トランプ支持者はバイデン大統領が息子のハンター・バイデン氏を通じてウクライナ利権を貪っていると主張してきた。仮にこれが悪であればトランプ大統領の一族が中東ビジネスを拡大させることも悪になるはずだ。
しかしトランプ版文化大革命は「エスタブリッシュメントだけが甘い汁を吸っている」という恨みに基づいているため自分たちも「トリクルダウン」の恩恵に預かることができるのであればトランプ大統領一族のビジネスを問題視しないという二重性(ダブルスタンダード)がある。
- ドバイに「トランプタワー」、カタールで高級ゴルフリゾート…米大統領親族企業が中東で大規模ビジネス(読売新聞)
- トランプ氏「不動産やゴルフについて話していない」、サウジ訪問で(REUTERS)
- トランプ一族企業、ドバイにタワー建設発表-ペントハウス2000万ドル(Bloomberg)
「魚心あれば水心」というが有り余る財力を使って全力でおもてなしをするというアラブ流のもてなしはガッチリとトランプ大統領の心を掴んだようだ。サウジアラビアでは多額の投資計画が話し合われた。
トランプ大統領はかつてカタールを「テロリストを支援している国であり断交すべきだ」と糾弾していたが、今ではすっかり虜になってしまっている。
- トランプ氏、カタールと2435億ドルの経済合意 ボーイング大型受注(REUTERS)
- カタール政府系ファンド、米国に今後10年で5000億ドル投資へ(Bloomberg)
- カタール首相、米への豪華ジェット機贈呈案を擁護-違法なら撤回する(Bloomberg)
もちろんアメリカ合衆国の中には「中東と接近しすぎるべきではない」とする人達もいる。理由は様々だ。ある人たちは「最先端半導体の技術が中東を通じて中国に流出するのではないか」と考えている。一方で非ヨーロッパ系に差別意識を持っている人たちもいて中東系は「ジハーディスト」であると決めつけたうえで「テロリストに接近すべきでない」と主張する人もいるようだ。
しかしながらトランプ大統領はすっかり中東諸国に籠絡されておりこうした懸念に耳を傾けていない。トランプ大統領の「革命」がほんのお遊びだったことがわかる。
ホワイトハウスはトランプ大統領には私利私欲などないと主張しているがアメリカ合衆国はそもそも「私利私欲」に突き動かされる国であり、毛沢東時代の中国とは根本的に状況が異なる。
「この部屋にいる誰かが、トランプ大統領が私利私欲のために何かをしていると示唆することさえ、率直に言って馬鹿げている。彼は贅沢な生活と非常に成功した不動産帝国を経営する人生を捨て、公務に就いたのだ」
中東にトランプタワー建設? 歴訪で加速する“トランプ・ビジネス”(TBS News Dig)
