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トランプ大統領が心変わり エプスタイン文書の公開を容認し炎上作戦へ

5〜8分

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トランプ大統領が一転してエプスタイン文書の公開に賛成すると表明した。これまでの大騒ぎは何だったのだろうか?という気がする。そもそも「隠すから怪しまれる」わけである。こうなったらありとあらゆる資料を出して情報を飽和させたほうが得策ということになったようだ。ただ、おそらく影響は民主党・共和党両党に及ぶはずである。つまり、この先は何がどうなるかわからないという炎上作戦に転じたことになる。

もともとはトランプ大統領の民主党攻撃が発端だった。トランプ陣営はエプスタイン氏の顧客リストが存在し多数の民主党関係者の名前が含まれていると主張してきた。

しかしながらトランプ氏が大統領に当選すると「そんな顧客リストはない」と主張が変わってしまう。そこで「実はトランプ氏の同盟者やトランプ大統領もこのリストに含まれているのではないか」との主張が展開されるようになった。

今回公開される文書が何なのかは実はよくわかっておらず、ざっくりと「裁判記録」ということになっている。エプスタイン氏を起訴するために司法省が調査した情報などが含まれる。また裁判のために集められた元関係者の起訴資料が含まれているようだ。

つまり議論の過程でエプスタイン文書=顧客リストから裁判記録関連記録へと定義が変わってしまっている。

トランプ大統領は当初「民主党関係者だけ」がエプスタイン氏とつながっていると証明しようとした。しかしながらまずマジョリー・テイラー・グリーン氏(MTG)のようなMAGA派の一部が造反。MAGAの攻撃が及ばない事がわかると沈黙していた穏健な共和党の中からも記録の公開に参加しても良いという人が出てきた。この時点でMTG氏のもとにはかなり激しい脅迫が送りつけられていたようである。

このままトランプ大統領が抵抗を続ければトランプ大統領が既得権(エスタブリッシュメント)を守るために抵抗しているということになりかねない。ついにトランプ大統領もやましいことはないからファイルを公開するようにと主張を変更したのだった。決して負けるゲームを選択しないトランプ大統領らしい変節といえる。

しかしながら一旦文書が公開されると、共和党・民主党関係者に限らず「いわゆるエスタブリッシュメント」と呼ばれていた人たちとエプスタイン氏の関係が明らかになる。例えばイギリス王家のアンドリュー元王子はこの一件であらゆるタイトルを失った。

もしかすると裁判記録の中にはトランプ氏の名前も入っているかもしれない。彼もまた当時の汚れたエスタブリッシュメントの一部だった可能性が高いからである。しかしおそらくトランプ氏は問題を制御することを諦めて周りをすべて焼き尽くす戦略に切り替えたのだろう。周りも燃えてしまえば自分の存在もまた相対的に小さくなる、はずだ。

ただし、今回採決が行われるのは下院である。つまり上院が抵抗してくれれば世間の批判は上院に集まりなおかつ法案は成立しない。また下院で2/3以上の賛同がなければトランプ大統領が拒否権を発動できる可能性も残されているそうだ。このためトランプ大統領が何を考えているのかについては様々な憶測が生じているようである。