トランプ大統領に近く若者に投票を呼びかけていたチャーリー・カーク氏が狙撃された。容疑者として確保されているタイラー・ロビンソンは黙秘を貫いており捜査に協力していない。捜査当局は周辺から動機を探ろうとしている。そんな中、ユタ州のコックス知事が「タイラー・ロビンソンは男性から女性になろうとしているボーイフレンドと一緒に住んでいた」と明かした。事件との関連性についての言及を避けながらもLGBTQと関連性があったと示唆している。
トランプ大統領が分断を煽る言動を繰り返す中、ユタ州のコックス知事の融和を呼びかける発言はメディアからの好感度が高かった。しかしSNSはガンであると訴えており若干の違和感も感じる。いずれにせよ今回の一連の報道においてメディアはコックス知事からの情報に依存しており注目度は高まっている。
そんな時の人であるコックス知事がNBCのMeet the Pressに出演し現在の捜査状況を語った。日本ではおそらく政治的配慮から伝えられないだろうが容疑者の恋人がトランスジェンダーだったそうだ。ただしこの情報はコックス知事から語られているだけだって実際に確かめたメディアはない。また政治的に中立な捜査当局の情報でもない。それが今回のポイントである。
当然メディアはこのインタビューに注目しセンセーショナルに「タイラー・ロビンソンはトランスジェンダーと付き合っていた」と取り上げている。表現はまちまちでルームメイトとなっているものもあれば「ロマンチックな関係」であると表現するものもある。当然ここから意味を取り出す人も出てくるだろうが、日本のメディアはそもそも面倒を恐れて伝えないのではないかと思う。
- Kirk investigators: “Aghast” transgender roommate may lead to motive
- Charlie Kirk suspect Tyler Robinson ‘was in romantic relationship with transgender roommate’ – Utah governor
- Shooting suspect had ‘very different ideology’ than conservative family, Utah governor says
しかしながらコックス知事の発言は後半にゆくにつれて少しおかしなものになってゆく。
日本人の感覚から見れば銃が溢れ孤立する若者が増えていることが問題だと思える。ところがコックス知事はSNSはガンであると表現する。「私達はこれに気がつくまで10年かかった」といい「私達」は巨大テック企業から若者を守るためにさまざまな取り組みをしてきたがテック企業は裁判を通じて抵抗していると主張している。
トランプ大統領はアメリカの問題はすべて不法移民のせいで問題を作り出したのは極左であると騒ぎ立てている。バンス副大統領とチャーリー・カーク氏は親密な関係にあったため、今後バンス副大統領が復讐を誓うのではないかと恐れる人もいるようだ。中にはアメリカの射殺事件は凶暴なトランスジェンダーが主導しているという人もいる。
そして「融和」を訴えていたはずのコックス知事も結局は問題を作り出しているのはSNSであると言っている。コックス氏によればSNSは邪悪な存在でありガンと言う表現はまだ控えめなものなのだそうだ。
結局のところアメリカ合衆国では今起きている問題は一体誰のせいなのかというfinger-pointing議論が盛んに交わされている。自己主張文化なので声が大きい人の主張が通りやすいという文化的背景もあるだろう。
結局はコックス知事も当局に情報発信させず自分が情報をコントロールすることで自身の政治的宣伝に今回の問題を利用しているという側面があるということになる。アメリカの分断は根深い。

“チャーリー・カーク事件の容疑者はトランスジェンダーと付き合っていた” への2件のフィードバック
日本でもこういう事件が起きると、ネットから根拠のない被疑者情報が流れることがありますね。在日(朝鮮人)や帰化した人(元中国人や元韓国人)をターゲットにすることが多く、見た目の区別がつかないからこそ好き勝手に言われてしまっていますね。
まぁ、まだ日本ではこういう言動による分断はありませんが、もっと日本の状況が悪くなれば、こういう言動が人の生き死にのきっかけになってしまうと思うと、言われてしまっている人たちが気の毒でなりません。
いつもコメントありがとうございます。アメリカ合衆国の場合は政府に近い人も言論戦争に参加しているので日本とは事情がかなり違うと思います。これからそのあたりを整理して記事にしてゆきます。