2026年のダボス会議は異様な会議になった。かつて「賢人会議」と呼ばれていた経済フォーラム。しかしそこに現れたのは子供のようにジタバタと手足を動かして「グリーンランドが欲しいよう」と泣き叫ぶトランプ大統領だった。そしてNATOはトランプ大統領に「グリーンランドの採掘権」と「主権のようなもの」を渡し事にしたようだ。つまりヨーロッパはアメリカ合衆国に「スーパーの通路で暴れたらキャンディがもらえる」と教えてしまったのだ。トランプ大統領はますます言うことを聞かなくなりこのスキームはやがて崩壊するだろう。
トランプ大統領は軍事力の行使は否定したが虚偽の主張を繰り返しグリーンランドが欲しいようとゴネ続けた。途中でグリーンランドとアイスランドを混同しておりグリーンランドそのものには興味がないことがわかる。
EUとカナダは一致結束してアメリカからの自立を訴えた。しかしながらNATOは「採掘権」と「新基地の主権のようなもの」をトランプ大統領に渡す合意案を作りトランプ大統領に提示したようである。アメリカ合衆国は1ドルも支出しない。結果的にトランプ大統領はヨーロッパへの関税を取り下げた。
つまり、ヨーロッパはトランプ大統領と彼を支持するアメリカ人に対して「みんなが居るところに出てきて大声で暴れれば好きなものが無料で手に入る」と教え込んだことになる。
合理的に考えるならば、NATO/EUはアメリカの防衛力を維持するために対価を支払ったことになるのだが、その防衛力・抑止力はトランプ大統領によって破壊されかけている。つまりこのスキームは長く持たないだろう。日本はアメリカというブランドによって守られているがその賞味期限はおそらく長くはない。
アメリカ合衆国の民主主義はおそらくかなり幼稚化しており、それをエスタブリッシュメントが支えてきた。しかしこのエスタブリッシュメントは国際的にも国内的にもクッションとしての役割を失いつつある。トランプ大統領によって疲弊させられているからだ。このため暴れまわる幼稚な自我を抑えきれなくなっているようだ。今回もすでにCNNは「主権付与」と書いているが他のメディアは領有権は議論されなかったと書いており内容が食い違っている。もはや曖昧さによってしか「合意」が支えられないのだから、このスキームは長くは持たないだろう。
ここからトランプ政治とそれを支えるアメリカ合衆国の民意の特徴がわかってくる。
- 人間関係・国際関係を力関係(支配・被支配)で見ている
- しかし、意思決定を相手に丸投げしている
- 説明しなくても自分の欲求が通ることを期待する
- 相手の事情には無関心
そんなトランプ大統領は第二国連を立ち上げた。かつて賢人会議と言われたダボスは「愚人のための愚行の舞台」になってしまった。
「平和評議会」は当初、イスラエルとイスラム組織ハマスの間で続くガザでの2年に及ぶ戦争を終結させ、復興を監督することを目的としているとみられていた。しかし、その憲章草案にはパレスチナ自治区への言及はなく、国連の機能と取って代わることを意図した設計になっているとみられている。
ガザの「平和評議会」、サウジやトルコなど7カ国が参加表明 プーチン氏は検討中と(BBC)
これも子供じみた欲求の現れと言える。集まった国はアメリカとの関係構築に期待する国とアラブ圏の国だけであった。アラブ圏の国はこの会議をガザ和平に介入するための装置と見ておりトランプ大統領の構想とは参加目的が異なるものと考えられる。また当初構想を拒否していると伝えられたイスラエルも会議に参加している。
アルバニア、アルゼンチン、アルメニア、アゼルバイジャン、バーレーン、ベラルーシ、ブルガリア、エジプト、ハンガリー、インドネシア、イスラエル、ヨルダン、カザフスタン、コソボ、クウェート、モンゴル、モロッコ、パキスタン、パラグアイ、カタール、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦、ウズベキスタン、ベトナム
これもお誕生日のお祝いに友達を集めて自慢する子供に似ている。ただしメンバーがいささか貧弱なために「時間があったら行くね=ちょっと行けそうにないなあ」と言うメンバーも参加者に加えてしまっている。その筆頭がプーチン大統領だ。また、カナダのカーニー首相もABCによればボードメンバーということになっているがBBCは報道から省いている。
ここにも「自分は世界一強い国の大統領なのだ」といいながら「お友達」を周りに置いて誇示しないとそれを実感できないという子供ならではのアンビバレントさがある。しかしこれで「エスタブリッシュメント」と対等になったといいたいのだろう。これからはライバルである国連と仲良くやってゆこうぜと主張した。
このニュースは日本では断片的に報道されるだけにとどまるだろう。おそらく日本の社会は今の日米同盟が「子供っぽさ」によって支配されていると認めたくないはずだ。

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