9,100人と考えAIとも議論する、変化する国際情勢とあいも変わらずの日本の行方


ガザ統治に50億ドル 本当なら素晴らしいが……

6〜9分

イイネと思ったら、Xでこの投稿をシェアしてください

最近、「政治の粗探しばかりをしていても仕方ないなあ」と感じ、できるだけ良い面を探そうと努めている。そんな中、トランプ大統領がガザ統治に50億ドルを調達したという記事を見つけた。実際に、有言実行でこれだけの資金を集められるのであれば、それはそれで大したものだと思ったのだが、やはりトランプ大統領はトランプ大統領だった。他人のものはオレのものオレのものはオレのものなのだ。

第一に、50億ドルの投資が集まるという話は、トランプ大統領自身のSNSでの発表にすぎない。そもそも会議が行われるのは19日であり、「こんなにすごい会議になりますよ」という前宣伝に過ぎない可能性が高い。

いちいち調べるのも面倒だが、過去にも同じような事例があった記憶がある。とはいえ、確認しないわけにもいかないのでGeminiに聞いてみたところ、2019年6月の日本でのG20に合わせて開催された「平和から繁栄へ(Peace to Prosperity)」ワークショップや、2025年10月にエジプト・シャルム・エル・シェイクで開かれたガザ平和サミットなどの例が挙がった。

まあいつもの手口なのである。

第二に、「ドナルド・J・トランプ平和研究所」の存在が実に怪しげだ。これについてもGeminiで調べた。

アメリカではロナルド・レーガン時代に、連邦政府が出資しつつも独立性を保つ外交・安全保障系シンクタンクが設立された。実にアメリカらしい仕組みである。民間が自発的にこうした組織を作ることは難しい一方、運営を完全に行政府に任せることにも不安があったのだろう。ベトナム戦争などの失敗体験が背景にあるのかもしれない。

しかし、「資金は連邦政府が出すが、運営には極力関与しない」という仕組みが、逆に仇となった。トランプ大統領はこの組織を「ドナルド・J・トランプ米国平和研究所」と改称し、元のスタッフをほぼ全員解任してしまった。AP通信によれば、現在は法廷闘争の最中だという。

つまりトランプ大統領は、自前で50億ドルもの資金を調達したのではなく、米国民の税金で作られた組織を事実上「簒奪」し、私物化したうえで、第2国連のような組織を作ろうとしていることになる。やはりトランプ大統領はトランプ大統領だった、ということだ。

もっとも、この組織がまったく成果を出さないと断定することもできない。国連安全保障理事会や欧米主導の体制にうんざりしている新興国にとって、10億ドルで常任理事国のような地位が得られる仕組みは、魅力的に映るかもしれない。実際、インドネシアは約8000人規模の兵士派遣に前向きな姿勢を示している。

今回の和平協定が機能するためには、「占領国」であるイスラエルの協力が不可欠である。しかしAP通信によると、ネタニヤフ首相は初回会談には参加しない見通しだという。

一方、イスラエルでは西岸地区の国有化が進んでおり、アラブ諸国が一斉に反発している。アラブ諸国は、「常任理事国(のような)」地位を10億ドルで買えるなら安いと考えるかもしれないが、同時にイスラエルの西岸国有化への反発を優先する可能性も否定できない。

コンテンツのリクエストや誤字脱字の報告はこちらまで

イイネと思ったら、Xでこの投稿をシェアしてください


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です