連日のようにお腹をすかせたガザの子どもたちの映像が飛び込んでくる。そんなかなネタニヤフ首相が「ガザに飢饉などない」と発言した。トランプ大統領は特にこの問題には興味がないようで「食べ物は豊富にあるのにガザの人々に届いていないようだ」との認識を示したそうである。
ガザの問題は、かつて被害者だあった人々が反省などせず人間の残酷さには底も天井もないと示す事例となっている。ユダヤ人はアウシュビッツ収容所に閉じ込められ大勢が亡くなっているのだが、今ガザ地区のパレスチナ系アラブ人に同じようなことをやっている。
ガザ地区からは連日お腹をすかせた子どもたちの映像が流れてくる。WFPによると数日飲まず食わずという人が1/3もいるそうだ。ABCニュースでは人工ミルク(英語ではフォーミュラというそうだが)ではなく水を与えられている赤ん坊の映像などを目にした。
そんな中ネタニヤフ首相が「ガザには飢饉などない」と発言した。だがしらべてみると数日前にベン・グビル氏が率いる少数極右政党の閣僚が「ガザには飢饉などない」と発言しネタニヤフ首相が批判しているというニュースを見つけた。超正統派が政権から離脱し少数与党状態に陥ったネタニヤフ首相も後がなくなっていることがわかる。
事実よりも政権の延命のほうがネタニヤフ首相にとっては大切なのだろう。
ヨーロッパはアメリカ合衆国に対してイスラエルに圧力をかけるように求めている。トランプ大統領は飢餓の問題について「わからない」と答えたそうだ。ABCは「わからない」の部分を強調しているが、正確な表現は「わからないが、テレビで見る限りお腹をすかせた人がいるようなのでごまかしようがないのではないか」と言っている。この部分を取って「飢饉を認めた」とするメディアもあった。
トランプ大統領は食料センターの設置を提案したという。ただしアメリカの問題ではないから世界各国が協力してなんとかすればいいのではないかと言っている。
トランプ大統領の認識によればガザ地区には豊富に食料があるそうだ。ただ柵に囲まれているので人々に届いていない。そんなに大騒ぎするならばヨーロッパが主導して食料供給を行えばいいではないかと言っている。
関税の問題で「アメリカ合衆国は自由貿易を守るつもりもなければ本気で製造業の回帰を模索しているわけではないだろう」と書いた。断定的な表現だと考える人もいるだろう。
ガザの問題においてテレビでは連日お腹をすかせた人々の映像が流れてくる。子どもは飢餓で死にそうである。普通ならば「この人々を救うにはどうしたらいいのだろうか?」と考えて解決策を模索するはずだ。
ところがそもそもトランプ大統領には他者への苦境に対するエンパシー(思いやりや共感)が欠けている上に問題解決にもたいして興味がない。自分が褒めそやされるためにはどうすればいいかには強い関心があるが「他人の問題は他人が勝手に解決すればいい」ことなのである。時事通信によればアメリカとイスラエルが食糧援助してやっているのに世界中はそのことを無視していると不満を表明したそうだ。食料支援はイスラエルの武器として利用されている。
もちろん、他者への共感のなさはトランプ大統領個人の資質によるところが大きいのだが、アメリカ人がトランプ大統領を支持していることも確か。自分たちの暮らしさえ守られれば「後はどうなろうが知ったこっちゃない」というのが今のアメリカ合衆国の民意なのであるということは知っておいたほうがいいだろう。アメリカ合衆国は神から選ばれた特別な国であるといううぬぼれた自己認識がある。

Comments
“ガザに飢饉などないとネタニヤフ首相が発言” への2件のフィードバック
ガザの飢餓問題を見ていると、NHKで放映している「あんぱん」が頭に浮かびます。
やなせたかしが生み出したアンパンマンは、自分の顔を他人に分け与えるヒーローです。あのヒーローは今の時代にとって大事なことを示す存在だなぁと感じ、こういう時代にそれを生み出した人を題材にしたドラマが放映されているのは、何かしらの意図を感じました。
そうなんですね。今季は朝ドラ見ていないんですけど評判はいいみたいですね。