本日の記事は「アメリカの民主主義ははたして大丈夫なのか」については書かない。燃えていることを前提になぜ燃えたのか、いつまで燃えるのかを書く。このエントリーはいつまで燃えるかについて分析する。一般教書演説の発表が2月24日に決まった。この火が消し止められる管理された火で終わるのかあるいは制御不能になるかは火事の長さで決まる。
前回のエントリーではトランプ大統領の放火活動が中間選挙で負けると弾劾されかねないという危機感から来ていると分析した。このため中間選挙に向けて成果を強調しなければならない。そこで大統領は一生懸命に一般教書演説で誇れるような成果をコレクションしている。そして唯一うまく行っているのが国際秩序の破壊行為だった。
よくトランプ大統領は「ディール志向」と言われる。これは敵味方を作らず「自分に役に立つものと役に立たないもの」に仕訳をするという意味だ。
では議会はどうか。民主党が敵で共和党が味方なのか。実はそうではない。共和党の実力者ティリス氏は「Amateur Hour is Over」として側近を批判。上院は戦争権限の制限に向けて動いている。
そこでトランプ大統領は無理めの要求を投げた。軍事費を1.5倍にしろというのである。ここで無条件に賛成してくれる議員がいれば議会には利用価値があることになるが、そうでなければ議会なんかいらない。むしろない方がいい。
実は暫定予算が1月末で切れる。ここで妥協が成立しなければまた連邦政府が閉鎖される。しかしトランプ大統領がまとめなければ議会共和党がまとまることはない。つまり議会が閉鎖されるかどうかはトランプ大統領次第だ。
今回の争乱のピークはおそらく一般教書演説だが、そもそも議会が閉鎖されてしまえば一般教書演説が行われない可能性が出てくる。するとしばらく国際秩序とアメリカ民主主義はそのまま燃え続けることになるだろう。トランプ大統領にとっては好都合である可能性がある。「アマチュア」が書いた一般教書が議会から冷淡に迎え入れられる可能性があるからだ。
議会は予算を通じて大統領の行為を制限できることになっている。このため大統領が実行している放火活動はどれもお金がかからないものばかりである。だから議会には抑止力がない。最高裁判所も軍隊は持っていないので(当たり前の話だが)大統領をちからづくで止めることはできない。
大統領は国際協力機関を軽視しており次々に脱退している。また議会も軽視しており「ベネズエラ侵攻については石油会社とは協議していた」と主張している。また大西洋では海賊活動の一環としてロシアタンカーを拿捕した。つまりトランプ政権が国内外で暴れ回っているというのは誇張ではない。むしろ控えめな表現である。
火事が制御不能になれば消防士としてルビオ国務長官が出てくることが期待できる。彼は自分は外交官であり話し合いでグリーンランド問題とベネズエラ問題を解決すると言っている。しかし彼が出てくることができるのはトランプ政権が「あ、この火はアマチュアでは制御できないな」と感じた後なので、このまま燃え続けれると制御不能な火災に発展する可能性が高い。つまりルビオ消防士はそもそも出動できないのである。
最後の砦はアメリカの世論だが2つの問題点がある。まずアメリカに統一された世論は存在しない。熱烈な共和党支持者、熱烈な民主党支持者、そして黙り込む中間層だ。そして世論も自分たちの生活に壊滅的なダメージが出ない限りはトランプ大統領にとって障壁にならない可能性が高いのである。
元々は大統領の焦りとルサンチマンから来た「放火活動」はそのままの勢いで「うまく行ってしまう」可能性が出てきたということになる。

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