「私は米を買ったことがない」と江藤大臣が発言した。どおりで日本のコメの値段が下がらないはずだ。江藤農水大臣は辞任すべきであるという人もいるようだが、参議院選挙で審判を受けるまでこのまま職にとどまって欲しいものだ。当然やる気がない大臣のもとでコメの値段はまた上がっている。
食糧管理法もまともに読んだことがなかった江藤農水大臣が、佐賀県の講演会で「私は支援者からコメをもらっているので自ら買ったことがない」と発言したそうだ。最初にニュースを見たときに「ああこれは炎上するだろうなあ」と感じたが、案の定、野党から総攻撃を食らったそうである。日本の有権者は具体的な政策ではなく「政治家が自分たちに寄り添ってくれているのか」を気にする。
この発言は江藤農水大臣がコメの価格問題を他人事と捉えていることを意味するため有権者は本能的に石破政権を嫌うだろう。
石破政権は麻生政権の末期に似てきた。総理大臣が政権をグリップできなくなると気の緩みから様々な失言が生まれる。江藤農水大臣の緩みきった態度から彼がコメの問題をたいして重要視していないことは明らかだ。
ただしこれが「失言」だとは思わない。所詮国民の困窮など他人事という石破政権の本音を正直に開陳しただけという印象だ。
この発言は、すでに多くの有権者が抱いている「石破政権が国民に寄り添っていない」という印象を強化するだけなので「この発言そのものが政権にとって打撃になる」ということはないのではないかと思う。ただし国民が薄っすらと抱いている「石破政権と国民の間には問題意識の決定的なズレがあるのではないか」という違和感は、おそらく選挙が近づくにつれて決定的なものになってゆくだろう。
すでに石破総理の「日本の財政状況はギリシャに近い」発言が反発を呼んでいるが、内容を見ると「やっぱり石破政権は財務省の言いなりだった」という印象論がほとんどである。
一方で共同通信の世論調査では有権者が「消費税は減らしてほしいが、かといって社会保障に影響が出るのは困る」と逡巡している様子がわかる。自民党・公明党政権は「今微妙なバランスが崩れると将来得られるはずの保証が得られなくなる」という認識に支えられている。
結果的に比例投票先は自民党にするという人が最も多い一方で自民党・公明党は過半数を割ってほしいという人が多い。つまり国家が何もしないのが一番だと考える人が増えているのである。
