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なぜ今イランが攻撃されたのか

6〜9分

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このエントリーではなぜ今イランが攻撃されたのかを説明する。表向きはイランの核兵器開発の脅威が差し迫っていたからとされるがBBCは懐疑的な見方をしている。ネタニヤフ首相が政治的延命のために仕掛け、同じく政治的危機にあったトランプ大統領を焚き付けた可能性が高いが、そのやり方は極めて巧妙だった。

分析は、これまで・今・これからの三本立てになっている。このエントリーは今を扱う。

ネタニヤフ首相は汚職問題などにより政治的に追い詰められていた。国内的求心力を維持するためには、外部に強い敵を設定する必要があったと考えられる。

ハマスによるイスラエル攻撃は当初その契機となったが、ガザ戦争を無期限に継続することは困難である。やがてガザ和平はトランプ大統領主導のペットプロジェクト的な構想となり、イスラエルの影響力は相対的に低下していった。

この状況で、ネタニヤフ首相にとって最大の敵はイランとなった。トランプ大統領の関心をガザから引き離すためにも、イラン攻撃は有効だったと考えられる。

トランプ大統領の外交観は、国家運営を企業経営になぞらえる傾向が強い。トップを交代させれば国家の方向性も変わるという発想である。中南米では一定程度この構図が成立したため、ベネズエラは成功例と認識された。

政権内部ではリスク評価も行われたとみられるが、大統領の認識と異なる意見は次第に排除された。その結果、ベネズエラ型モデルが採用された可能性が高い。

報道によれば、外交交渉を装ってハメネイ師を油断させていたともされる。また、諜報機関が所在を把握していたとの報道もある。トランプ大統領自身も、後継となる人物が存在すると発言しており、体制移行を単純化して捉えていた可能性がある。

統治機構に対する認識が極めて曖昧なトランプ大統領の無知を付く形で「成功事例」をことさらに強調し、懸念を強めるトランプ大統領の側近たちが次々と遠ざけられていった。最終的に統合参謀本部議長のダン・ケイン将軍だけが淡々とリスクをトランプ大統領に報告するのみになっていた。国務省は次第に距離を取るようになり自分たちの正当化に心を砕くようになっていったようだ。

トランプ大統領は今でも「ハメネイ師の後を率いるリーダーがいる」と喧伝している。つまりベネズエラのように指導者さえ入れ替えれば国家がそのまま統治できると信じているのだ。

おそらくネタニヤフ首相はイランはベネズエラのようにならないと知っていたはずだ。しかし自分の野望を達成するために相手の心理状態を読み粛々と軍事作戦にトランプ大統領を引き込んでいった。決断をしたのはトランプ大統領なのであとは「自己責任」というわけだ。

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