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どうやら公明党は本気で怒っているらしい

8〜12分

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別のエントリーで紹介したThe Priorityは公明党はより良い条件を引き出すために怒ったふりをしているのだろうと分析していた。しかし田崎史郎氏や佐藤千夜子氏の発言に報道を付け加えるとどうやら公明党は本気で怒っているようだ。公明党が首班指名で高市早苗氏と書かないという観測まで出てきた。

公明党の斉藤鉄夫代表と高市総裁が会談したが合意は得られなかった。このため15日に予定されていた首班指名が延期される可能性が出てきた。

こうした報道を見るとついつい「おそらくこれは交渉のための交渉だろう」と考えたくなるが、どうもそうではないようだ。

確かに公明党執行部は連立に未練があるだろうが、彼らは「オーナー」である創価学会の意向を無視できない。そしてマスコミは創価学会の意向を直接報道することはない。ただ、表向きは公明党は政教分離原則に則った政党であるという建前を維持しなけければならないからだ。

ではなぜ創価学会は怒っているのか。その内情はかなりウエットだ。湿潤な日本の風土を反映するようにドロドロとしてカビまで生えている。

田崎・佐藤発言を聞くとそのドロドロの一端がうかがえる。政策ではなく「飲み食い」で属人的につながっていたことがわかる。

  • これまで創価学会と自民党の間を「属人的に」つないでいた菅義偉氏が非主流化した。高市人事もそれを裏付ける内容だった。
  • 代わりに「飯を喰ったこともない」人たちが執行部に並んだ。
  • さらに高市総裁は就任直後に公明党ではなく国民民主党と「密会」し「順番が違う」と反発された。

過去の遺恨もある。

2023年には選挙区調整を巡り公明党と自民党東京都連の間で軋轢が起きている。萩生田東京都連会長(当時)は公明党を受け入れない判断をし公明党に反発されている。当時の公明党の怒りは凄まじいものだった。またこのときの本部の幹事長は今回「復権」する茂木敏充氏だった。

自民党東京都連の実力者たちは公明党に地盤を明け渡し事に反発した。表向き「支持者の理解を得られない」としていたが実際には党内の利権が確保できないのが理由だった。

今回公明党は「政治とカネの問題」が解決していないことを理由に反発しているのだがこれは表向きの理由で実際には萩生田光一氏の復権に反対しているのかもしれない。

麻生太郎氏が義弟である鈴木俊一氏の幹事長起用にこだわったのは地元での世襲を確かなものにしたかったからだという観測がある。

確かに二階俊博幹事長が退任した後の和歌山2区の公認候補指名はなかなかいうまく行かなかった。結果的に二階俊博氏の三男が世襲したものの世耕弘成氏が利権に侵食する土壌が作られ結果的に自民党は議席を失っている。今回世耕弘成氏は高市早苗氏に「お祝いコメント」を送っている。萩生田光一氏に続いて自身も復権させてほしいということなのかもしれない。「大いに期待する」のは当然だ。

自民党・公明党が政権を独占しているため与党の公認候補がプラチナチケット化している。このため政策とは関係がないところで公認権争いが起きそれが遺恨を生むのだろう。有権者たちは水が枯れかけた井戸を巡る争うに反発し「自民党離れ」が進む。

こうした自民党と公明党のゴタゴタを高いところからニコニコと観察しているのが玉木雄一郎氏である。経済があまりわからない支持者に向けて「すべてが上がっていますね」という無責任極まりない投稿を出しつつ、自民党と公明党の関係が決まってからお話を伺いますよとの余裕の姿勢を見せている。

この令和スーダラぶりが玉木雄一郎氏の「味」であり人気の秘密なのだろう。

これを枝野幸男氏が書くとこうなる。これでは気持ちがアガらない。

高市体制は早くも内側から行き詰まりを見せているが鈴木俊一新幹事長は「党内融和」を訴え続けている。