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どいつもこいつも 維新と自民党に新たな政治とカネの問題

5〜8分

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維新と自民党に新たな政治とカネの問題が浮上した。維新の石井彰議員が勤務実態のない秘書給与を詐取した疑いで家宅捜索を受けている。また自民党から立候補した全日本遊技事業協同組合連合会理事長の阿部恭久氏に対する投票で報酬を約束したとしてパチンコ会社運営企業の幹部6名が逮捕された。なおこの過程で読売新聞は維新の議員名を取り違える語法騒ぎを起こしているそうだ。

維新の石井彰氏は後に取手市に編入された藤代町議会の出身。叩き上げで資金力に定評があったという。また生粋の維新議員ではなくもともとは旧民主党からいくつかの政党を渡り歩いている。

大阪以外の地域での浸透に苦労する維新としては渡りに船といった存在だったのだろうが、自民党との政権構想に水を差す事態となった。

これに関して読売新聞が東京地検特捜部に捜査される議員の名前を取り違えている。一部報道で社長が「政治部はコントロールできない」と総理大臣に釈明したと伝えられており(読売新聞側は否定)、今後も報道機関として責任を持った取材体制を維持できるのかに大きな疑問符がついた。今後調査を行うそうだが調査が曖昧に終われば「やはり政治部には頭が上がらないのだ」ということになるだろう。

一方で自民党からの公認を受けた全日本遊技事業協同組合連合会理事長の阿部恭久氏には別の問題が浮上した。あるパチンコ運営会社の経営幹部が従業員に対して投票依頼を行っている。投票所で写真を撮影させてそれと引き換えに「残業代」を支払うという内容。投票依頼は組織的に行われたと見られ証拠が十分に揃っている。阿部氏は自分の関与を否定しているが、平成以降最大級の公職選挙法違反事例となりそうだ。阿部氏は6期目の理事長に就任した時に「集団としてまとまる大切さ」を訴えている。皮肉としかいいようがない。

皮肉なことに阿部氏の問題では盛んに出玉規制が厳しくなりパチンコ離れが進んでいたなどと語られておりパチンコ業界としては起死回生どころか逆宣伝になってしまった。今後阿部氏が政治家に接近しようにも「パチンコ業界に関わるとろくなことにならないのではないか」と警戒されることになるのだろう。

小泉進次郎氏は自民党はBtoCの政党に生まれ変わらなければならないと言っている。落ち目になった産業が自民党に接近するというのはよくあることなのだろうが却って自民党の足を引っ張ることになるのかもしれない。こうなると自ら企業献金などを制限したほうが良さそうだが自民党に改革の機運はない。

維新もこれまで自民党の政治とカネの問題を厳しく批判してきた。つまり石井彰議員に対して説明責任を求めつつ厳しい対応を取らなければ今後の政権構想どころか支援者離れを招くだろう。維新では他にも同じようなことをしている議員がいるのではないか。仮に雨だれ式に同じような問題が浮上すれば維新にとっては致命傷になりかねない。