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そもそも「中道」とはなにか わかりやすく解説

10〜15分

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立憲民主党と公明党が新しく「中道改革連合」を旗揚げした。結果的に「中道って何?」という戸惑いが広がっている。このエントリーでは中道とはなにかを解説する。政治コメンテータたちは盛んに「中道とはなにか」を解説しているが全く的を射ていないからである。

まず結論を書く。中道は「普通」の言い換えだ。それだけだ。

立憲民主党は公明党に配慮して政党名に中道を入れた。

「人間主義」は公明の支持母体・創価学会の故池田大作名誉会長が最も大切にした考え。立民は昨秋以来、新たなパートナーと見定めた公明について研究を重ねた。隣に並んだ公明の斉藤鉄夫代表らに配慮を示す狙いは明らかだ。

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このため「中道=人間中心主義」に付いての解説が多く見られる。創価学会は戦前に言論弾圧を受けており国家主義に対する反発がある。これに仏教用語の「中庸」が合わさったのが「中道=人間主義」である。

しかしながら現在創価学会で流通している「中道」の考え方は仏教というより儒教の中庸に基づいた考え方だ。つまり創価学会は主権在民(人間中心主義)を訴えながら、実は統治される側の哲学である儒教思想を脱却できなかったのである。つまり統治者が十分に自分たちのことを尊重してくれる社会を「救済」と捉え熱望している。

つまり中道をこのルートから掘ってゆくと行き詰ることになる。だから公明党の支持者たちも「中道ってなんなんですか?」と疑問をいだいている。

斉藤氏は支持者から「中道の意味が分からない」との声が寄せられているとした上で、「国民に知っていただく努力を続ける」と浸透を急ぐ考えを示した。

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立憲民主党と公明党の言い分を聞いていると次のような考え方に行き着く。

国民は普通と言われる暮らしを選択してきた。なのにまともな老後が送れないのはおかしい。それはどこか政治が間違っているからである。だから政治を改革してたださなければならない。そのために仲間が連合しなければならない。

この「言い分」を検証すると矛盾点に突き当たる。

今人々が円安インフレに苦しんでいるのは、問題先送りを意図的に選択したアベノミクスの後遺症である。つまり実は間違っているのは政治ではなく主権者である「普通の」国民だった。

さらに、そもそもバブルの崩壊で「昭和の普通」も崩壊している。昭和の普通とは、男性は終身雇用制のもとで働き、女性はある年令になったら家に入り子供を育てるという標準的ライフスタイルだ。

つまり、現在の現役世代は「普通のない時代」を普通に生きている。しかしながら主体的に生き方を選択しているわけではない。

だから、今の現役世代には2つの考え方がある。

  • 今でも普通の正解があることを前提に生産性・効率性を高めたいと考える人達=つまり昭和世代が不効率であると考える人たち。
  • かつてあった普通に回帰すれば将来不安が減るだろうと考える人達。

結果的に彼らが行き着くのは「効率万能主義=コスパ・タイパ思考」と「保守回帰願望」だ。正解があった時代は知らないので彼らには中道はそもそも理解できない。さらに新しい普通も作れないので正解があった時代に戻りたい。

これでなぜシルバー世代が「中道」を求め、現役世代が「コスパタイパ思考+保守」を求めるのかが理解できた。

つまり、中道に対する戸惑いは「そもそも普通が成り立たなくなっている」ために生じていると分析することができる。だから中道改革連合は現役世代の支持は得られない。

ここでもう一つ深刻なのは「私に関する感覚の欠如」である。日本語には主語がないと言われる事が多い。このため相手が自分と比べて偏っていることは分かるが私についてはわからない。保守の人々は「これまでの普通」に拘る人は左に見える。しかしこれまでの普通にこだわっている人たちは「過去への回帰を求める人達」が右に見える。

だから人々は「左と右」は理解できる。つまり他者を排除しキャンセルするラベルとして用いている。だが「主体的に意思決定する自分」については語れないので「普通」が言語化できず、したがって中道が理解できないのだ。

ここに「常に主語を要求する」インド・ヨーロッパ系の言語体系で作られた自称としての右・左やどちらにも当てはまらない中道という言葉を当てはめようとすると混乱が生じるのは当たり前である。アメリカでは逆に私を示すバッジが細分化して収拾がつかなくなっている。Reditでは保守の自称ラベルが細かく別れているのが観察できる。ChatGPTによると次のような区分ができているそうだ。

  • fiscal conservative
  • social conservative
  • libertarian-leaning conservative
  • neocon
  • paleocon
  • classical liberal
  • constitutional conservative
  • nationalist conservative
  • Christian conservative

おそらく立憲民主党と公明党がいいたかったのは「普通の暮らしを守り抜く」ために「政治を改革する」政党だったのだろうが、創価学会の取り込みを優先させたため人々を混乱させることになった。さらに生産年齢世代に「そもそも普通など存在しない」ということも分析ができていなかった。

野田佳彦代表と立憲民主党が意図してこの混乱を引き起こしたのかはわからないが「普通」が崩壊した今の日本で戸惑いが広がっても当たり前の言葉の使い方をしている。だから説明を重ねれば重ねるほど混乱は広がってゆくだろう。

つまり中道に答えなどないのでインターネットでいくら検索しようが、政治評論家たちを集めて会議をしようが「わかりみ」は深まらないだろう。

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