石破総理が居直りとも言える会見を行った。ゴールを過半数死守から比較第一党維持に「しれっと」置き換えたうえで南海トラフ地震や首都直下型地震まで持ち出して現在は国難なので政治空白を作るべきではないと主張した。
裏でグチグチ・ねちねちと言っている人は大勢いるようだが、表立った組織的な石破打倒運動は少なくとも国会議員の間からは起きなかった。
TBSによれば裏でグチグチ・ねちねちと文句を言っている連中は大勢いるらしい。しかし誰が最初に石破退陣論を言い出すかで揉めているようだ。
そこで登場したのが我らが河野太郎氏だった。さすが河野さんだと思ったのだが、関税交渉があり石破退陣は求められないから代わりに森山幹事長を更迭せよと言っている。
石破おろしを言い出せない理由は人によって様々だろう。高市早苗氏のように総理大臣を虎視眈々と狙うような人は周りが盛り上がるのを待っているのかもしれない。
一方で河野太郎氏には次期総裁の目はない。また父親である河野洋平氏は自民党総裁にはなれたが総理大臣にはなれなかった。今総裁になっても総理大臣にはなれないかもしれない。
ただこれも「本当に党のことを考えているんだろうか?」という気がする。麻生太郎氏が石破は許さん!と言い続けているこれに当てこすった可能性があるのではないかと個人的には感じた。
河野太郎氏は前回の総裁選で麻生派からの支持を期待していた。ところが麻生太郎氏は石破茂氏に深い恨みを持っている。河野太郎氏では勝てないと思ったのだろう。派閥としては河野太郎氏を支援しないことを決め内々に高市早苗氏を支援した。この報道が出ると河野太郎氏は「飛ばし記事だ」と強く憤っていたという。
今回は麻生太郎氏が「石破は絶対に認めん」と言っており逆に河野太郎氏が「石破続投でいいのではないか?」と主張していることになる。
政治的といえば政治的だがあくまでも動機は私憤・私怨によるもの。石破総理はいつあるかもわからない地震まで持ち出して堂々と選挙結果を無視すると宣言し、自民党は相変わらず内向きなヘゲモニー争位に夢中である。そしてその動機は「あいつは昔こうだった、これだけは絶対に許せん!」というもの。まるで自治会の会長選挙並の浅ましさだ。
ワイドショーはおそらくこの政局を扱わざるを得ないのだが報道すればするほど自民党が民意を軽んじている実態が浮き彫りになってしまう。おそらく政権を擁護する評論家たちが多数動員されるのだろうが、彼らがどんな擁護運動を展開するのか。なんとなく意地悪な目で見てしまう。
ただそれ以上に気になるのが石破総理の戦略のなさである。おそらく党内で石破総理に協力しようという人はいないだろうし明らかに民意に見放された石破総理と協力することは野党にとっても自殺行為である。ただし、立憲民主党と維新は消費税減税の話があればご相談には乗りますよと言う立場。
石破総理は総理大臣として居座ることは可能だが財政再建派と袂を分かつか総裁選をやる以外に補正予算を通すことができない。
一方で「火中の栗を拾って自分がなんとかしてやる」という人は与党からも野党からも現れなかったようだ。「一体誰がどうするのだろう?」と総理大臣の椅子に固執する石破総理を呆れてみているというのが実態のようである。
彼らはどうせ沈む船にどんなものを乗せようかと相談しているのかもしれない。沈む船には沈む船なりの利用価値があるだろう。後から批判されるなら「あれもこれも全部イシバがやった」ことにしてしまえばいい。
