中国はトランプ大統領を通じて民主主義国を恫喝するためには選挙区に揺さぶりをかけるのが良いと学んだようである。解禁に向けて動いていた海産物の輸入を取り下げることにした。この際に原因は高市であるとはっきりと明言している。対応に困った木原稔官房長官は「中国から通達は来ていない」と言っているが、中国は「ちゃんと伝えた」と言っている。高市信者は「中国とは断交してしまえ」と勝利を確信するだろうが、水産業者たちはおそらく総裁選で高市氏を選択したことを後悔するだろう。
発端になったのは台湾有事発言。これまで戦略を明かさないために総理大臣の答弁は曖昧だった。しかし支持者に対して一貫した態度を取らなければならないと思いこんでいた高市総理は具体的に発言してしまう。
これについて「いずれ態度を明確にしなければならなかったのだから高市総理の発言は意図したものだろう」とか「もう失うものはなにもないのだからこの際靖国神社を参拝すべきだ」などといった勇ましい声が聞かれる。
しかし相手側も民主主義国が何を嫌がるのかをバッチリ学んでいる。日本政府の訴えで水産物輸入解禁に向けて動いていたが「日本の水産物に市場はない」と宣言した。トランプ大統領に対してもダイズで同じことをしている。トランプ政権が態度を軟化させた時期は農家が来年のダイズの作付けを決める時期にギリギリ間に合うタイミングだったそうだ。
維新の藤田共同代表は誰に学んだのか「高市総理が悪いのではなく発言を引き出した立憲の岡田克也氏が悪い」と言っているが、問題解決には全く寄与しない単なる指差し(フィンガーポインティング)である。大阪では一般的なのかもしれないが早く大阪に帰ったほうがいいのではないか。
時事通信が指摘するのは「対中パイプ」がないという点。これまで二階俊博幹事長(この人がいなくなった途端に和歌山からパンダが消えた)や公明党に頼っていたそうだ。これは公明党を怒らせたときに修復のパイプがなかったのに似ている。
高市総理の周りには問題を煽り立てて高市総理の選択肢を狭めるような人は大勢いるのだが、間を取り持って穏便に問題を解决してくれる人がいない。
木原稔官房長官の役立たずぶりも露呈している。中国から何も聞いていないからそんな事実はないのではないかと主張したが、中国側ははっきりと「日本に通達した」と言っている。
