支持率が上がらない立憲民主党が焦りをつのらせている。立憲民主党SNS対応チームなるものを作り「虚偽の投稿には法的制裁も辞さない」との考えを示したが、これが逆効果になっている。
対応を急げば急ぐほど「立憲民主党がSNS世論に対応できていない」と可視化されてしまうのである。
なぜこんな事になってしまったのか。
岡田克也氏がSNSに反論し「注意喚起」を行った。虚偽の説明には法的措置も辞さないという姿勢を示したかったのだろう。すでに小西洋之議員が国光文乃外務副大臣に法的措置を行うと宣言している。
立憲民主党もSNS対応チームなるものを立ち上げてファクトチェックに乗り出している。しかしながらこれらの対策は「直感的」になにかうまく行っていないなあという気がする。そこでChatGPTを使って言語化してみた。
まず、岡田克也氏の対応は「国民感情をコントロール」という発言とセットで取り上げられ「言論弾圧の物語」として消費されかねない危険性がある。更に支援者も人格擁護をしているだけで実は議論になっていない。
さらに立憲民主党SNS対応チームも実は反論しているようにみえて「これだけ世間から反発されているんだ」と言うカタログづくりをしている。自分たちがSNSでいかに恨まれているのかを宣伝しているのだ。
しかしながら「失敗の実例」は出ているので、これを踏まえて「どう成功にもって行けるか」のプランは立てることはさほど難しくない。
- コミュニケーションのレイヤーを再設計する:公式発表とSNSでは「言語」が違うので、チャンネルを再設計して適切な層に適切なメッセージが届くようにすればいい。
- 反論(後追い)ではなく「先出し」を心がける:反論を潰そうとするのではなく、あらかじめ予想できる陳腐な反論の型を予測・提示しておく。
- 説明(抗弁)ではなく冷静な評価を心がける:事実から結論を組み上げるのではなく、先に方向性=評価を出しておく。
- 敵の多さを可視化させない:具体例にいちいち反応するのではなく「型」として曖昧に提示。
- 率直さの提示:失敗を認めて共感を呼び込む。
何だそんなことかと思われるかもしれないが、対策じたいは実例をフィードしてChatGPTに何が悪かったんですかね?と聞くと30秒ほどで出てくる。つまり対策はコモディティ化している。
しかし対策を聞くためには「あれ、この政策はなにかうまく行っていないんじゃないか?」と気が付かなければならない。おそらく立憲民主党には客観視の能力(メタ認知)が欠けている。そしてこのメタ認知こそがSNSで成功するための鍵になる。
メタ認知を獲得し失敗を認めることは敗北ではなく率直さの現れだ。さらに自分を構造から切り離し「いや実は自分たちが羨んでいる相手もさほどうまく行っていない」ときがつくチャンスになるだろう。
確かに玉木雄一郎氏や高市早苗氏はSNS上ではうまく行っているように見えるが、それぞれ別の失敗を抱えている。
玉木雄一郎氏はSNSで掲げていた「玉木雄一郎氏ってこんな人」像をうまく作りあげすぎたために「総理大臣になるつもりがない」とみなされた瞬間に支持者が揮発してしまった。
また高市総理はSNSでの自己像にこだわりすぎるあまり政府の運営に支障をきたしている。SNSの自己像と組織運営能力が噛み合っておらず、また間に立って緩衝してくれる人材(安倍総理時代の菅官房長官のような)人が存在しない。
つまり
- 高市自民はSNS人気が先行しているが実行力が伴っておらず
- 立憲民主党はSNSの打ち出しに問題がある
という「車の両輪構造」が成立する。
結果的に「SNSをどう組織統治に組み込んでゆくのかという設計ができていない」という結論が得られる。しかしこの結論に至るためには、まず「あれ、どこかうまく行っていないのでは?」「これまでのやり方がズレてきたぞ」という認知を保つ必要がある。
おそらくこうしたメタ認知の能力はこれまでも重要な能力だったのだろうが、SNS時代ではその重要さが増している。健全な議論を取り戻すためにも立憲民主党は冷静な判断力を取り戻すべきだ。

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