おそらく日本は、この先少なくともしばらくの間、アメリカ合衆国から有形無形の保証を得られなくなる。トランプ大統領が「同盟国はアメリカを助けてくれないと知っていた」と表明したからだ。
この変化が「大きな流れ」なのか「トランプ大統領の混乱なのか」も重要な考察ポイントなのだが、とりあえず「なぜこうなったのか」を順を追って見ていこう。
中間選挙を前に経済政策が行き詰まったトランプ大統領は、成果を求めるあまりネタニヤフ首相からもたらされた情報に飛びついてしまう。結果としてホルムズ海峡ではタンカーの通行が困難となり、原油価格は1バレル60ドルから120ドル目前まで高騰した。
トランプ大統領はアメリカが護衛するとほのめかしたが、おそらく海軍の協力は得られていない。「海域を航行するのは危険すぎる」として、船舶会社からの護衛要請を断り続けているからだ。
そこでトランプ大統領は、中東から石油を輸入している国々の協力に期待する。本来、人に何かを頼むのであれば「自分は失敗した。助けてほしい」と頭を下げるのが筋だ。しかしトランプ大統領にとって「負けを認めること」はすべてを失うことを意味する。そのため「これまではアメリカ合衆国が守ってきたのだから、今後は協力するのが当然だ」と開き直った。
ところが各国が要請を拒否すると、今度は一転して「アメリカは世界一強いのだから他国の助けはいらない」と言い放ち、同盟国への支援など無駄だったと嘯いてみせた。他者と本当の意味で関係を構築できていないことがよく分かる。
その上で、米軍はイラン軍を「壊滅させた」と主張。NATO加盟国のほかに日本、オーストラリア、韓国を挙げ、「米国はもはやNATO加盟国の支援を必要としていないし、望んでもいない。そもそも必要としたことは一度もない!」とし、「米国は世界で最も強力な国家だ。いかなる国の支援も必要としない」と記した。
トランプ氏、NATO消極姿勢を非難 イラン作戦巡り「愚かな過ち」(REUTERS)
今後、日本がトランプ大統領に同盟の重要性をいくら訴えても、耳を貸さない可能性が高い。「最初から分かっていた」という認識が、すでに「確信」に変わってしまっているからだ。

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