安倍元総理はアメリカからレンタルした核兵器をどこに置くつもりなんだろう?

朝から釣りを楽しんでみた。安倍総理が核について発言したのをネタにして質問を一つ立ててみたのだ。さっそく「ミスリードだ」というコメントがつきあいかわらずのクオリティだなと感じた。

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安倍元総理がいきなりこのタイミングで日本に核兵器を持ち込むべきだという議論を始めてしまう

ウクライナ情勢が緊迫する中で安倍総理が妙な議論を展開しはじめた。アメリカと核兵器を共有すべきだと言い出したのだ。本当にこの人が総理大臣でなくてよかったと思った。つまり非核三原則を破って日本に核兵器を持ち込めと言い出したことになる。

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北方領土と南方領土

安倍首相とプーチン大統領の共同会見を見ていて違和感を感じたことがあった。最初の違和感はロシアの最初の質問者がシリア情勢について聞いたこと。これはロシアは日本にはたいして興味がないということを示しているのだろうと思った。と、同時にロシア人が持っている大国意識を感じた。シリアはロシアの利権地域であり、それを守ることはロシア人にとってかなり重要だったのだろう。同じことはクリミア半島やウクライナにも言える。この地域にヨーロッパが進出することが許せないのだろうことが想像出来る。
次に面白かったのはプーチン大統領に対する最後の質問だ。通訳者がまずいためなのか、早口で何を言っているのかわからなかった。後で探してみたのだが、声明は見つかっただけでこの質問に対する答えを探すことはできなかった。うっすらとした記憶なのだが、沖縄を返還しないよという恫喝があったということを指摘していた。
調べてみると「ダレスの恫喝」という出来事があったそうだ。日本が南クリルのソ連への帰属を認めてしまうなら、沖縄をそのままアメリカが占領することも正当化されるだろうという主張のことだそうだ。ダレスの意図がはっきりしなかったので、様々な憶測を呼んでいる。曰く、アメリカは二頭返還論を認めなかったので日本の選択が狭まったとか、逆にそんなのはデマだという議論があるそうだ。
いずれにせよ、アメリカは南西諸島の主権を認めた上で基地利権を獲得したことになる。利権を確保しただけでなく基地の維持費用を日本に出させている。さらにアメリカは同盟関係まで結ばせて日本を経済圏として確保している。一方、日本利権に出遅れたソ連とその後継国であるロシアは「日本利権から締め出されている」ことになる。
これをイーブンにするためには、南西諸島からアメリカが出て行かなければならない。つまり、利権をさらに戻せば、交渉してやっても良いということになるだろう。日本は絶対に飲めない条件なのだが、それでも構わない。日本は北方領土に固執しているからいくらでも利益を提供してくれるからである。日本はATMのように機能するのだ。
日本人はなぜプーチン大統領の指摘を無視したのか。これについて考えてしまうと、日本が敗戦国でありアメリカに利権を提供しているという苦い事実に直面せざるをえなくなってしまうからだろう。代わりに日本は自発的に協力して力強いパートナーとして機能していると思い込みたいのだ。
大国が存続するためには各地に利権を持っていなければならないというのもある意味は物語だし、敵国からパートナーに昇格したというのも物語だ。どちらの世界に生きるのかは受け手次第なのだが、日本も利権を確保するために海外に軍隊を送る国になってしまったのだから、意識を変える必要があるのではないだろうか。それは「取るか取られるか」という世界への入り口でもあるのだが。

北方領土は帰ってこないし、拉致被害者も戻ってこないことを日本中が認識した日

2016年12月16日は北方領土が帰ってこないんだなあということを日本中が認識した日として記憶されるだろう。ネット上ではプーチン大統領が秋田犬をしつける写真が「プーチン安倍会談」を象徴する絵として出回っている。選挙で大勝することを期待していた二階さんは「国民はがっかりしているだろう」と落胆を隠さなかった。
安倍首相はなぜ北方領土問題を進展させられなかったのだろうか。それは「北方領土詐欺」の手法に引っかかってしまったからだ。あるテレビ番組によると詐欺は次のような手順で進むという。

  1. まずは安心させる。友達であることを認識して安心してもらう。
  2. 次に驚かせる。「なぜこの人は私が今まで誰にも話していないことを知っているのだろう」と思わせるなどして、詐欺師は特別な存在なのだということを被害者に感じさせる。
  3. いったん離れてみせる。詐欺の被害者が依存してきたことがわかったら今度は厳しいことを言って離れてみせる。すると被害者は「この人をつなぎとめるためには何をすべきだろうか」と考えて行動するようになる。嫉妬と説明されることもある。
  4. 周囲から分離させる。依存をさらに強めるために共通の第三者の悪口を言ったりして、引き離す。すると相談できる人が詐欺の加害者だけになるので、囲い込んで洗脳しやすくなる。

安倍首相側は「ウラジミール」とか「君」などと語っており、相手への依存が始まっていることがわかる。対するプーチン大統領は「閣下」という距離のある表現を使っている。詐欺でいうと「突き放し」のフェイズに入っていることがわかる。いつも待たせるというのもよい手法かもしれない。待っている間相手はその人のことばかりを考えて過ごすことになるからだ。
驚きがどう演出されたのかはわからないのだが「動かないとされていた北方領土問題を進展させる用意がある」というのが驚きになっているのではないかと考えられる。他にも小さなサプライズがあるのかもしれない。
このフレームワークでいうと残っているのは「分離」だ。例えば、トランプ大統領と親密なところを見せて嫉妬させた上で「実は君だけが本当に信頼できるパートナーなのだ」などと言えばよいだろう。「トランプは日本を食い物にしようとしているよ」などと吹き込めば、分離と囲い込みの完成である。
さて、安倍首相はなぜプーチン詐欺に引っかかってしまったのか。それは安倍首相の生育に関係しているのだろう。安倍首相は政治家の家に育ち「期待通りの子供」になることを強制されている。外からのインセンティブだけが動機になっているのだ。一旦就職するものの偉大な父親の秘書として囲い込まれ、その後は世間を知らないままに政治家になってしまう。一言で言えば「いい子」である。いい子は完璧をもとめ、相手の期待に応えようとする。いい子にとって一番苦痛なのは、ご主人様が何を期待しているかわからない時である。すると人間関係そのものが構築できなくなってしまうのだ。
この皮肉なメカニズムは共感がなぜ生まれるかということを考えるとよくわかる。共感は自分の経験が相手と合致したときにうまれる。つまり、自分の内的な状態に目を向けない限り共感は生まれない。普通の人が感じている共感ができないと、いつも疎外された状態になる。そこに明確な規範がもたらされるとそれにすがってしまうのだ。依存が病的な状態なのはそのためだ。
安倍首相は、歴史的な偉業を達成するであろう自分と力強い指導者であるウラジミールを待ちながら、安倍晋太郎元外相の墓参りをし「おとうさんより偉大な政治家になるからね」と報告していたのだろう。明らかに周りが見えなくなっている様子がわかる。
だが、安保法制で「僕の自衛隊」を国連に差し出したのと同じように、もともと自分のものを相手に差し出すことによってしか、自分の存在感を相手に認めさせることができない人なのだ。皮肉なことにこれが安倍首相が総理大臣になれた秘密なのではないだろうか。こういう人がトップにいてくれたら、まわりの政治家は「おねだり」するだけでいくらでも美味しい思いができるからだ。