唯一の先進脱落国のアルゼンチンでチェーンソーを振り回す大統領が誕生 ミレイ氏の勝利が確定

アルゼンチンの大統領選挙が終了した。決戦投票において現体制を代表する候補にミレイ氏が競り勝った。マッサ候補が敗北を認めたためミレイ大統領が誕生することになる。

ミレイ氏は新自由主義者とも極右とも呼ばれる。選挙期間中はチェーンソーを持ち歩き「全てを破壊する」と宣言していたそうである。勝利が確定するとアメリカ合衆国のトランプ前大統領やブラジルのボルソナロ前大統領から祝福を受けた。どちらも現在の政治に飽き飽きしている人たちから熱烈に支持された大統領だった。

アルゼンチンは先進国から脱落した唯一の事例として知られる。このためアルゼンチンの政治は日本の好ましくない未来像の一つという文脈で語られることがある。

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「習近平は独裁者だ!」にブリンケン国務長官が頭を抱える

習近平国家主席とバイデン大統領の会談が終わった。表向きは関係修復のための会談だったが「目立った成果に乏しかった」と評価されている。そんななか、カメラに収められたブリンケン国務長官のある表情が注目を集めている。あからさまに嫌な顔をしているところを撮られてしまったのだ。おそらくドラマでもあんな表情は撮影できないだろうというような表情がニュース素材として出回っている。「どんなに努力してもボスは全く考えを変えてくれない」という宮仕え特有の絶望感が滲む。

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国連安保理がガザ地区での人道的一時停止提案を採択 5回目にして初めての合意

国連安全保障理事会は12か国の賛成でガザ地区の人道的一時停止(ポーズ)動議を可決した。アメリカ・イギリスとロシア中国の睨み合いになっていたが、アメリカ・イギリス・ロシアが棄権し拒否権を行使しなかった。アラブ圏からの発議のため中国とフランスは賛成した。

AP通信によると表現が弱められ一時停止は「要求ではなく呼びかけ」になったという。一方でハマスによる人質の解放は「要求」のまま残った。安保理はグテーレス国連事務総長に対して次回の会議までに進捗状況を報告するように求めている。

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アメリカ合衆国下院で予算案が通過し連邦政府閉鎖は回避 利上げ観測も弱まり日本にも株価上昇の波及効果

アメリカ合衆国関連で2つのニュースがあった。

一つ目のニュースはCPIの伸びが収まりつつあるというものだ。これで利上げは終わりだろうという希望観測的な安堵感が広がり株価上昇・債権価格回復という流れになっている。当然日本とアメリカの利率の差も縮まるため発表直後はやや円高方向に触れた。また、アメリカCPIのニュースは日本でも好感され株価が大幅に値上がりした。ロイターは「日経平均は大幅に3日続伸、「逆CPIショック」で今年最大の上げ幅」とホクホク顔だが日経新聞は「少し浮かれすぎなのではないか」という論調のコラムを掲載している。円も結局は151円まで円安に戻している。非常に変化が多い荒っぽい値動きが続いていて経済指標に一喜一憂するのは危険だ。ただ一ヶ月ほど前に投資した米国株は軒並み上昇しているはずだ。

もう一つは連邦政府の閉鎖回避だ。ジョンソン議長が「二段階方式」を提案した。結局予算案は民主党からの賛同を得て下院を通過したようだ。重要法案(軍事建設・退役軍人対策・輸送・住宅・エネルギー省への資金提供)が1月19日までの予算となり残りの部分は2月2日までの延長となる。もともとに段階方式は共和党強硬派が推進していたが上院議員たちは懐疑的でありホワイトハウスも反対していた。しかし、ジョンソン議長が強硬派の主張する大幅な予算削減を盛り込まなかったことで民主党に妥協の余地が生まれた。非常に複雑な提案であり「間を取った妥協」になっているためなぜこのような内容になったのかはよくわからない。

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中国発の化学物質がアメリカ人を蝕む アメリカで社会問題化するFentanyl(フェンタニル)とは

アメリカのニュースを見ていると、最近Fentanylという言葉を聞くことが増えた。日本語ではフェンタニルと表記されるそうだがTBSは「アメリカでは年間11万人の死者が出ている」という。米中首脳会談でも議題になることが決まっている。

フェンタニル汚染はアメリカで社会問題になっている。主な密輸元はメキシコだが原材料の化学物質は中国から来ているという説があるそうだ。バイデン大統領は国内の麻薬問題を解決するために習近平国家主席の協力を求めており、従って米中首脳会談の主な議題になる。

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イギリスでブラヴァマン内務大臣が解任される 横滑りでキャメロン元首相が貴族になり外務大臣に就任

イギリスのブラヴァマン内務大臣が解任された。もともと右寄りの発言で知られていたが、パレスチナ問題における過激な言動が特に問題視された。ロンドンでは30万人規模の親パレスチナデモが行われており世論が揺れている。

後任は外務大臣からの横滑りになる。その外務大臣の後任がキャメロン元首相である。現在は庶民院の議員ではないため、キャメロン卿として貴族に列せられた上で上院で資格を取り内閣入りする。議員でない人が外務大臣になるのは初めてではないそうだが、極めて異例と見られている。

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移民奔流 中南米からアメリカ合衆国への移民の流れが止まらない

ロイターがグアテマラからアメリカ合衆国に流れてゆく移民の問題について書いている。
土地を売ってブローカーにお金を払いアメリカ合衆国に渡る人についてのルポである。

成功すれば故郷に立派な家が建てられるが無事にアメリカに渡れる確証も仕事が得られる保証もない。それでも移民の流れが止まらない。

一方のアメリカ合衆国もこれ以上移民を受け入れられないという状況が生まれつつある。バイデン大統領に対する不支持の主な理由となっているが感情的にこじれにこじれており解決策は見いだせそうにない。

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高まる反発を背景に フランスのマクロン大統領がガザ地区の停戦を提案

10月7日にハマスがイスラエルを攻撃してから一ヶ月が経過した。日本のメディアの扱いは徐々に減ってきている印象だが、欧米のニュースではガザ地区におけるイスラエルの容赦ない攻撃が連日報道されている。欧米にはユダヤ系の住民やイスラム系・アラブ系の移民も多く「他人事ではない」という気持ちがあるのだろう。

バイデン大統領は1日に4時間の停戦(ポーズ)を外交的に勝ち取ったと宣伝する。一方でマクロン大統領は詳細は明らかではないものの停戦を提案した。ヨーロッパにはイスラエルを応援する以外の選択肢はない。それでも停戦を呼びかける裏にはこのままでゆくと紛争解決後のイスラエルを応援しにくくなるという気持ちがある。

つまり、それくらい人道的に許容できないことが行われているということになる。

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やっぱりイスラエルは原爆を持っていた ガザ地区での使用を主張した閣僚が政府会議を出禁に

イスラエルの暴走が止まらない。既に戦争犯罪との評価も出ているイスラエルだが、ガザ地区への侵攻は続いている。ついにイスラエルはガザからパレスチナ難民を追い出そうとしているという記事まで出てきた全てネタニヤフ首相と戦後のイスラエルの国際的な地位にネガティブな効果をもたらしそうだがそうはなっていない。世界が乱世に入った象徴的な出来事と言えるだろう。さらに「ガザに原爆を落とすべきだ」と主張する閣僚まででてきた。さすがに政府会議を出禁になったそうだが。だが、やはりイスラエルは原爆を持っていたのだ。この発言は今後周辺国の状況をさらに複雑なものにするはずだ。

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「誰も私のようには我々の勝利を信じていない。誰もがだ」焦りを募らせるゼレンスキー大統領と滞るアメリカの支援

世界の関心がイスラエルに向かう中、ゼレンスキー大統領が焦燥感を強めている。関連記事を集めウクライナの現在地を確認しておきたい。秋の泥濘期に入りこれまでの支援と徹底抗戦のあり方を再考する動きが出ている。

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