民主主義とジャーナリズムの危うい関係 松本人志氏に対する週刊文春記事は「書いたもん勝ち」なのか?

松本人志氏が文藝春秋社を訴えて裁判を起こした。名誉毀損の賠償金の相場は200万円から300万円程度とされているそうだが、松本さん側の請求額は5億5500万円だ。「書いたもの勝ち」の抑止が念頭にあるものと思われる。東国原英夫氏も主張するように売上に見合う懲罰的な金額がなければ「書いたもの勝ち」が防げない。

実際に週刊誌は完売となり文春はかなりの経済的利益得たと言われている。45万部が完売し有料会員数も伸びているという。確かに他人のプライバシーを暴いてお金儲けをすることには理不尽さを感じる。

だが、今回の問題はジャーナリズムと民主主義の危うい関係を理解する良い助けになる。お笑いタレントの裁判と「民主主義」に何の関係があるのか、ちょっとそれは大袈裟ではないかという批判を予想しつつ論を展開したい。

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ワイドナショー出演取りやめ 改めて松本人志さんの人権について考える

松本人志さんがワイドナショーに出演しないことが決まった。この件に関してはもちろん被害を訴えている側の女性の人権の問題についても考えなければならないが松本さんの人権についても考慮する必要がある。

関係者が選んだ道は「面倒な問題には関わらない」ことだった。吉本興業は徐々にラインをずらし「松本さん個人の問題」に落としこもうとしている。極めて日本的な解決方法だ。

徐々にスタンダードが作られてゆき「何が良くて何がいけないのか」が空気によって決まるのが日本式だ。今回の件は日本でどのように改革が進むのかを示す好例となった。

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松本人志氏が芸能活動を休止し法廷闘争に専念 時代の転換を感じる幕引き

吉本興業の松本人志氏が芸能活動の休止を発表した。お笑い界と吉本興業に強い影響力を持つうえ、奔放な私生活もウリの一つになっている。この強気なイメージを維持しつつ吉本興業とテレビ局が抱えるリスクを問題から切り離すためにはこれしかなかったのだろう。週刊文春側は報道に自信を持っているとされるが、気になるのはやはり間に挟まれることになる告発者の人権問題である。

本来ならばテレビのワイドショーで総括すべき問題だが、おそらくこの件に関してテレビやテレビとつながりをもつ新聞社が分析を加えることはないだろう。報道機関としては「終わった」といっていいのかもしれない。あまりにも複雑な利害関係が生まれておりおそらくテレビ局は自分達で自分達を総括できなくなっている。

2011年に島田紳助さんが引退した時、原因とされたのは「反社会勢力」だった。吉本興業が地場のお笑い産業からテレビコンテンツプロバイダーに成長したことで島田さんのような存在を包含できなくなった。同じように松本さんの件も新しい時代の転換を意味しているのかもしれない。ある意味では「放埒さ」とみなされていたのだろうが国際的なエンターティンメント産業はこうした放埒さから切り離されなければならない。

松本さんがどう戦いどう戻ってくるのかにも注目したい。

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田崎史郎さんの予測外れる 池田佳隆衆議院議員に逮捕報道

政治ジャーナリストの田崎史郎氏が田原総一郎氏にたいして「議員の逮捕はないだろう」と語り反発を受けていた。とりあえずその予想は外れ池田佳隆さんが最初の逮捕者になりそうだ。日本テレビが独自報道として伝えておりフジテレビも追随した。TBSも立件までは確認しているが逮捕という表現にはなっていない。田崎史郎氏は政権に近いとされており過度な楽観視があったのかもしれない。国民の知る権利を守るためにもジャーナリストとしての説明責任を果たすべきなのだろうし、これまでは主に芸能報道の分野で取材対象との近さが度々問題視されてきたがメディアも田崎氏の使用責任やコメンテーターの扱いについて説明しなければならない段階に入っている。

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スキャンダルで却ってやる気になった松本人志氏 放送局が作るモラルハザード

文春のスキャンダルが出たことで松本人志氏が却ってやる気になったようだ。「いつ辞めても良いとおもっていたんやけど…… やる気が出てきたなあ」とXでコメントした。

吉本興業は放送局と資本関係にある。このため「守ってもらっている」という意識があるのだろう。さらにファンも彼の気持ちを高揚させる。Xの投稿には応援コメントが多数寄せられている。

これを見た若手たちが「これくらいのことはやっても良いんだ」と考えても不思議ではない。テレビ局は両論併記で乗り切ることでモラルハザードを引き起こしたことになる。

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